2020 06 09 鹿児島県・桜島・命の危険を感じた・桜島 噴石飛散・住民の 気象庁への 不信感・今回の噴火は レベル5への引き上げに 該当しない



今月4日、鹿児島市の桜島で起きた爆発的な噴火で大きな噴石が集落の近くまで飛散していたことが、明らかになった問題で、火口からの距離はおよそ3キロと気象庁の基準では、噴火警戒レベル5の引き上げに該当していました。
これについて気象庁は、「多数の噴石が飛ぶことを意味していて今回の噴火はレベル5への引き上げに該当しない」としていて専門家からは疑問の声が上がっています。

今月4日の午前2時59分ごろ、桜島の南岳山頂火口で起きた爆発的な噴火で、当初、気象庁は、噴石が飛んだ距離を「火口から2キロ近く」と発表していましたが、調査の結果、およそ3キロまで飛んでいたことがわかり、8日夜発表しました。
落下地点は集落から100メートル余りしか離れておらず、近くの資材置き場の屋根には、噴石の一部によるものとみられる穴も開いていました。

【気象庁は“引き上げ該当せず”】

気象庁が公表している噴火警戒レベルの判定基準では、大きな噴石が火口から2.5キロ以上に飛散した場合、噴火警戒レベルを5に引き上げるとしています。
今回は噴石を確認できたのは噴火から4日後でした。さらに地殻変動のデータに大きな変化は無いことなどから、噴火活動が活発化する兆候は認められないとして、気象台はレベル3の入山規制を継続しています。

さらに、今回の対応について気象庁は、「大きな噴石の飛散とは、多数の噴石が飛ぶことを意味していて、今回の噴火はひとつの噴石だったためレベル5への引き上げに該当しない。大きな噴石を観測できなかったことに問題があると考えていない」としています。

【専門家「『複数でなければ』おかしい」】

これに対し、京都大学火山活動研究センターの井口正人教授は、「噴石が複数でなければレベルの引き上げに該当しないというのはおかしい」と述べて気象庁の見解を批判した上で、「噴火による影響がどこまで及んだのか、なるべく早くわかる体制を作っておくべきだ」として、今回噴石が飛散した南西側を中心に監視体制を強化すべきだと指摘しました。

また、井口教授は現在の活動について、「4月から5月に入って噴火の回数は昨年に比べると少なくはなっているが、それに比べて規模が大きくなっているという傾向がみられている。1980年代には山麓まで噴石が落ちてくるということがよくあったわけで、南岳というのはもともと爆発力がある噴火が起こる場所であるという認識が必要だ。事前に対応をとるということは難しいが、活動が活発化している状態であれば、噴火活動について注意を払っておいてほしい」と話しています。

【被害を受けた企業の関係者は】

噴石が落下した場所から100メートルほどのところにある資材置き場の屋根は20センチくらいの穴が開いていました。
専門家によりますと、大きな噴石が落下した衝撃で砕け、その一部が落下したとみられています。
資材置き場を所有する「松元建設」の松元勝起社長は、「屋根の下の鉄骨も若干へこんでいて衝撃がすごかったんだと思いました。今回は夜間だったから人的被害もなく、胸をなでおろしているところです。住宅も近くにありますし、飛距離があれば夜間でも被害も大きくなってと思います。落下した時間帯はちょうど雨が降っていたので火災もありませんでしたが、それでも発見したときにはまだ木々が焼けた焦げたようなにおいもして、怖くなりました」と話していました。

【住民は】

桜島に住む70歳の女性は「音もすごかったですしただごとでは無いと思い、『命の確保をしなければ』という話を夫としたほどでした。大きな噴石で、当たったら死ぬなと思いました。夜中のことでわからなかったのかもしれませんが、『4日たってなぜ今ごろ』と思ってしまいます」と話していました。
また、49歳の男性は「午前3時前に、ゴゴーと雷みたいな音がして揺れ、普通の爆発ではないと思いました。高齢者の中には、『いつものこと』と言う人もいるけど、怖いです。いつまた同じような噴火が起きるかわからないいので、できれば早くレベルを上げて欲しかった。気象庁には対応をもう一度考えて欲しいと思います」と話していました。

【住民と気象台の信頼を】

活火山において、完全な監視というのは難しいと思いますが、大事なのは、情報を発信する気象台と住民との信頼関係です。
専門家の意見も踏まえて、真摯な情報発信に務めて欲しいと思います。