坂本花織が乗り越えた、1年前の試練。紀平以上の演技構成点、辿り着いた“自分の戦い方”
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1年前の姿とは、まるで対照的だった。力強く繰り出したガッツポーズ。その握り締めた拳には、この1年間に彼女が歩んできた道程が詰まっているように見えた。
昨季失意の6位に終わった全日本選手権の舞台で2位。坂本花織は、見事に雪辱を果たした。だがその結果以上に手にしたのは、暗闇から抜け出してたどり着いた、“自分らしい戦い方”だった——。

「笑える元気がなかった」。精魂尽き果てるほどハードだった『マトリックス』
「ジャッジさんの声、聞こえました。『オーッ』って……。自分も『危ないな』と思いながら、もうギリギリを狙いました」

昨年12月の全日本選手権で2位になった坂本花織は、フリー当日に出演したテレビ番組で、スパイラルで足を上げたままジャッジの前を横切る『マトリックス』の振り付けについてそう語っている。スピード感あふれる坂本の本領が発揮された、圧倒的なフリーだった。
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