韓国のMDS Tech、家庭用ヒューマノイドにNvidia「Jetsonフルパッケージ」を40億ウォン(約4.8億円)供給 — BigGo ファイナンス

韓国のMDS Tech(086960.KQ)が、韓国企業の家庭用ヒューマノイドロボット開発事業にNvidiaのAIコンピューティングプラットフォームを統合供給する約40億ウォン(約4.8億円)規模の契約を獲得した。同社がAI事業組織を発足させて以降、単一プロジェクトベースで獲得した最大の受注となる。

MDS Techは21日、韓国の某企業が進めている家庭用ヒューマノイド開発課題に、Nvidiaの「Jetsonモジュール」とNvidiaのグローバルパートナー各社のシステム・センサーなどを束ねた「Jetsonフルパッケージ」を供給すると明らかにした。ロボット駆動に必要な中核部品を一括で納入する方式だ。

今回の契約の特徴は、単なる部品流通ではなく、開発の初期段階から参画している点にある。MDS Techは当該プロジェクトでJetson OrinベースのAIコンピューティングプラットフォームの深化技術を支援し、その後、開発環境が次世代プラットフォームであるJetson Thorへ高度化される過程にも携わった。13年以上にわたり蓄積してきたNvidia組み込みプラットフォーム事業の経験をロボット分野へ広げた形だ。

同社は今年初めにフィジカルAIを次世代の成長軸と定め、事業基盤を急速に拡大している。4月にはSeoul National UniversityとフィジカルAI・ロボット分野の人材育成に向けた協力を開始し、現在、同大学機械工学科の「創意工学設計」科目で同社が支援した機器が使われている。MDS Techは教育にも直接参加し、学生のロボット開発プロジェクトを支援している。

7月にはNvidiaのロボット・ビジョン分野のパートナーであるSZ Sensingと韓国独占総代理店契約を締結した。非接触接続ソリューション企業のUniconとの協力を通じては、ロボットや自動運転環境に必要な超高速データ接続技術へ事業領域を広げた。部品供給からセンサー、接続技術、人材育成まで、フィジカルAIのバリューチェーンを幾重にも積み上げていく構図だ。

区分内容契約規模約40億ウォン(約4.8億円)供給品目Jetsonモジュール、システム・センサーなどの「Jetsonフルパッケージ」技術支援Jetson OrinからJetson Thorへの開発環境移行に参画事業拡張Seoul National Universityとの産学連携(4月)、SZ Sensing独占総代理店(7月)、Uniconとの協力

注:契約相手は韓国企業で、具体的な社名は非公開

業界では、フィジカルAI市場の拡大に伴い、ロボットメーカーだけでなく、AI演算プラットフォームやセンサー、データ接続技術を供給する企業の事業機会も増えるとみている。ただし、個別プロジェクトの受注が持続的な売上成長につながるには、顧客企業の量産スケジュールと後続供給契約の確保が鍵だとの指摘が出ている。開発段階の受注が量産数量に結びつかなければ、業績への寄与は限定的になり得るという意味だ。

MDS Techの関係者は「顧客企業の開発段階から技術検証、システム最適化、量産まで支援する事業構造を強化している」と述べ、「フィジカルAI分野で実質的な売上成果を拡大していく計画だ」と語った。

今回の受注は、組み込みソリューション中心だったMDS Techの売上構成がロボット・フィジカルAIへ多角化できるかを測る最初の試金石になるとの評価が出ている。同社としては、AI事業組織の収益化の可能性を証明すべき課題を抱えることになった。