日本では「SIerと組む」
アンソロピックの国内パートナー企業。NEC、日立製作所、富士通のほか、日鉄ソリューションズなども名を連ねる。撮影:松本和大
東條氏は、日本企業ではITシステムの構築や運用をシステムインテグレーター(SIer)が担うことが多く、AIの導入でもその力を借りる企業が多いと説明した。
「そういう歴史がありますので、我々としてもしっかりと皆さんと手を組んで、日本の企業にClaudeを届けていく」(東條氏)
4月にNEC、5月には日立製作所と富士通が、それぞれアンソロピックとの戦略的な協業を発表した。東條氏によると、提携先の企業はClaudeを自社で使うだけでなく、アンソロピックとともに顧客企業にAIを提案する役割も担っている。
日本企業の基幹システムの多くは、SIerが構築や保守に携わってきた。刷新には既存の業務やシステムの構成を把握することが欠かせず、アンソロピックはこうした企業を通じてClaudeを届ける戦略をとる。
一方、NECは独自の大規模言語モデル「cotomi」を、富士通は「Takane」を展開している。日立製作所は、外部の言語モデルを顧客の業務に合わせてカスタマイズする方針を示している。説明会では、米国企業が提供するAIへの依存や、各国がAIの自律性を確保する「AI主権」についても質問が出た。
東條氏は、企業が求めるAI主権の要件は、扱うデータや用途によって異なると説明。日本企業が開発する独自モデルについては「特に安全保障の面では有効だと思う」と述べ、Claudeとの使い分けも選択肢になるとの考えを示した。
アンソロピックは日本法人の2年目の重点施策として、企業・公共分野での本格導入とともに「パートナービジネスの強化」を掲げた。
Claude Codeで刷新を支援
アンソロピックは9月、日鉄ソリューションズと戦略的パートナーシップを締結した。提携の柱の一つは、AIによるプログラミング支援ツール「Claude Code」を活用したレガシーモダナイゼーションだ。
日鉄ソリューションズは、既存システムの診断や新システムへの移行計画の策定、移行作業までをAIで支援する方針を示した。
提携発表に寄せたコメントで東條氏は、日鉄ソリューションズが大規模システムの構築・運用で培った業界・業務知見と、Claudeなどを組み合わせることに期待を示した。
ただ、今回の説明会では、レガシー刷新の具体的な国内導入事例や、工数削減などの成果は示されなかった。こうした協業が実際にどのような刷新につながるかが、今後の焦点となる。