Metaの「AIたまごっち」はスマートウォッチへの布石か 「Muse Charm」が示す可能性の画像(CNET Japan)
9月下旬、Metaのカンファレンス「Meta Connect」の会場にいた筆者は、最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏がペンダントを手に掲げ、「Muse Charm」をサプライズ発表するのを見た。おもちゃのようなこの小型デバイスには、思わず頬が緩むほど愛らしいMetaのAIエージェント「Muse AI」が搭載されている。Muse Charmは、早ければ12月に発売される予定だ。
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ところが面白いことに、多くの人がこれを「AIたまごっち」と呼ぶ一方で、筆者にはバンドのない「Apple Watch」にしか見えなかった。Muse Charmはいずれ、そんなデバイスになるのだろうか。ペンダントであると同時に、時計にもなるのだろうか。実はこれが、Metaの手首向けウェアラブル市場への参入を意味しているのではないかと、今も考え続けている。スマートウォッチもまた、近い将来、AIアシスタントへと進化しようとしているからだ。
Metaが独自の腕時計型ウェアラブルを開発しているという報道は、数年前から出ている。Meta Connectでは多様なスマートグラスに加え、2027年に登場するメガネのような新型VRヘッドセットも披露された。一方、手首向けウェアラブルに関しては、不思議なほど動きがなかった。
Metaにはすでに、手首に着けるウェアラブルが1つある。「Meta Ray-Ban Display」に付属するニューラルバンドだ。しかし、2026年にはハードウェアの更新がなく、筆者は意外に思った。複数のセンサーを備えたこのバンドは、筋電図(EMG)の技術を使い、皮膚に接触するセンサーで電気信号を測定する。これにより複数のジェスチャーで、視界に表示されるスマートグラスの画面を操作できる。Metaはすでに、EMGによって神経信号を利用したさまざまな入力が可能になるという意欲的な構想を掲げ、スマートカーのダッシュボードの試作機でもこの技術を試している。
早くも2025年の時点で、Metaの最高技術責任者(CTO)であるAndrew Bosworth氏は筆者に対し、ニューラルバンドの次の進化として、何らかのディスプレイを搭載したデバイスや、ウォッチのようなものを開発する可能性があると語っていた。Metaは2025年、フィットネスの記録をスマートグラスと連携させるため、Garminとの提携も発表している。
Metaの新たな最優先事項はAIエージェント
Muse Charmは別の可能性も示している。Muse AIが今やMetaの最優先事項であることは明らかだ。デスクトップやスマートフォンで幅広く利用できることに加え、同社はこの新たな、自律的に行動するAIをすべてのスマートグラスに、そして将来的には「Meta VR Glasses」にも搭載する意向を示している。ほかに、Museが力を発揮できる場所はどこだろうか。そこで登場するのがCharmだ。
Charmには、ウォッチとの共通点がもう1つある。Qualcommのチップセット「Snapdragon Wear Elite」を搭載していることだ。これはサムスンの最新スマートウォッチにも使われている。筆者が2026年に入ってQualcommから聞いた話では、Wear Eliteはウォッチからペンダント、さらにはメガネまで、AIに対応したさまざまなウェアラブル向けに最適化されている。Muse Charmにリストバンドを取り付けてウォッチ用OSを搭載するのは、十分可能なはずだ。
Metaがスマートウォッチを手がける理由は多い
スマートウォッチは、Metaにとってさまざまな面でメリットがある。同社が日常生活に溶け込むウェアラブル市場への進出をさらに進めたいと考えているのは明らかで、ウォッチなら顔以外でも身に着けてもらえる。フィットネスや健康の記録から得られるデータは、Museや同社のスマートグラスに活用できる。さらに、ウォッチは今後のスマートグラスの操作において重要な役割を担う。Googleのスマートグラスは、近く「Wear OS」搭載ウォッチと連携するようになる。うわさされているAppleのスマートグラスも、Apple Watchと連携する可能性が高い。
Metaには、ニューラルバンドをもっと身に着けたくなるものにする工夫も必要だ。筆者は初代ニューラルバンドの仕組みに魅力を感じるが、実際に使うとなると、充電が必要な機器が1つ増えるのは面倒だ。ウォッチにもフィットネストラッカーにもならないのなら、そもそもなぜ着けるのか。現時点でニューラルバンドが操作できるのは、Metaのディスプレイ搭載スマートグラスの1シリーズだけだ。Metaは、ほかのスマートグラス製品やVRでも使えるようにする方法を探ろうとするだろう。
GoogleとAppleは、スマートウォッチがいかに急速にAIコンパニオンへと近づいているかを、すでに示している。Wear OS搭載ウォッチには「Gemini」が搭載されている。Appleも今秋、記憶を助けるオーディオインテリジェンス機能を新型ウォッチに追加する予定だ。両社のウォッチは、それぞれGeminiと新しい「Siri」を利用できる。
MetaにはMuseがある。そして、2026年末までにはMuse Charmが登場する。その次はウォッチなのだろうか。Metaに問い合わせたが、この件についてコメントは得られなかった。しかし筆者には、その「ベータテスト」がまさに目の前で進んでいるように思える。あるいは、ペンダントまたは手首に着けるデバイスの一方に決めず、両方に使えるモジュール式の構想へと方向転換しているのだろうか。
いずれにせよ、1つだけはっきりしていることがある。Metaはメガネをかけることなく、あの思わず頬が緩むほど愛らしいMuseのマスコットと常に一緒にいられるようにする方法を探している。そしてMuse Charmはその実験のように感じられる。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。