
米国のAI開発大手であるOpenAIは、米国時間9月29日に開催した年次開発者イベント「DevDay 2026」にて、ユーザーの指示に基づき自律的に作業を継続する新たなAIエージェント「dots」を発表しました。この最新サービスには、同社が誇る最上位のAIモデル「GPT-6 Astra」が組み込まれており、専用のクラウドコンピューター上で24時間稼働し続けるように設計されています。
本エージェントの最大の強みは、4000以上もの多様な外部アプリと連携し、複雑なタスクをシームレスに処理できる点にあります。ユーザーは、デスクトップやウェブ、モバイル版の「ChatGPT」だけでなく、「Slack」や「Microsoft Teams」などのビジネスチャットツールからも直接業務を依頼することが可能です。初期テストにおいて、請求書の発行を忘れていたユーザーに代わってdotsが自律的に書類を作成し、本人の承認を得た上で送信した事例などが報告されています。やり取りを重ねるほどにユーザーの好みや業務の質を学習し、より的確なサポートを提供するよう進化していきます。
こうした画期的なAIエージェントの開発体制強化の背景には、世界的に注目を集めたオープンソースのAIエージェント「OpenClaw」を生み出したエンジニア、ピーター・スタインバーガー氏(Peter Steinberger)の存在があります。同社は次世代AIエージェントの推進に向けて2026年2月に同氏を獲得しており、これが現在の開発体制の強化につながったとみられています同社の構想では、将来的には単一のエージェントが機能するだけでなく、複数の「dots」がチームとして連携し、さらに高度な分業体制でユーザーの業務を代行する世界を目指しています。
高度なプライバシー保護策と今後の提供スケジュール
自律的に動作するAIエージェントにおいて懸念されるセキュリティリスクに対しても、「dots」は厳格な保護機能を採用しています。例えば、ユーザーがオフラインの間にアプリ内情報を確認する「先回りリサーチ」機能は読み取り専用の権限に限定されており、AIが勝手にデータの書き換えやメッセージの送信を行うことはできません。加えて、パスワードの変更や資金の送金といった特に機密性の高い操作は、必ず人間による最終承認を必要とするよう安全策が組み込まれています。
当サービスは、対象となる地域の「Pro」「Business Premium」プランのユーザーに向けて順次提供が開始されており、1つ目のエージェントは追加費用なしで利用できます。また、企業向けの「Enterprise」環境においても、ワークスペース管理者の権限によるベータ版の有効化が可能です。Meta が先行して提供を開始したパーソナルAIエージェント「Muse」など、大手テック企業間で自律型AIを巡る覇権争いが激化する中、安全性と業務効率化を両立した本製品の動向に大きな関心が寄せられています。