MetaのAI「Muse」、Shopifyと連携 北米からAIによる購買・店舗運営支援を拡大(日本ネット経済新聞)
米MetaのAIエージェント「Muse(ミューズ)」と、ECプラットフォーム「Shopify」の連携が進んでいる。消費者に代わって商品を探し、購入手続きを支援する機能に加え、EC事業者の店舗運営を支える連携も拡充。AIが買い手と売り手の双方を支援する動きが具体化している。
Metaは9月8日、Museを発表した。専用アプリやWhatsAppで依頼を受け、ブラウザー操作などを通じて作業を進める。質問への回答にとどまらず、利用者の目標に沿って行動する点が特徴だ。購入などの重要な操作では、利用者の承認を求めるとしている。
Shopifyとの購買分野の連携については、両社幹部が9月21日に公表したと米専門メディア「PYMNTS」が報じた。Shopifyの決済サービス「Shop Pay」を通じ、Museを使った商品購入を支援する構想だ。一方、Metaの公式発表ではShop Payを「近日対応」としており、利用可能な範囲には注意が必要となる。
Shopifyの公式ヘルプによると、商品情報は「Shopify Catalog」を通じてMeta側に提供される。対象ストアでは、MuseなどのMeta上の画面から離れずに購入できる直接チェックアウトに対応する。直接購入を無効にし、自社ECサイトへ誘導する設定も可能だ。現時点で直接チェックアウトが表示される顧客の所在地は、米国、カナダ、メキシコに限られる。
<店舗運営にもAIエージェント>
Metaは9月29日、「Muse for Small Business」を発表した。Shopifyに加え、会計ソフトのIntuit QuickBooks、決済のStripe、デザインツールのCanva、マーケティングのKlaviyoなどとの接続を拡充。FacebookやInstagramのビジネスアカウントとも連携し、売上や販促実績の分析、成長計画の作成、広告・コンテンツ案の作成などを支援する。公開、送信、支出を伴う操作は、利用者の承認を必要とする。
Shopifyも、Museなどの外部AIツールからストアを管理できると案内している。Muse用コネクターは既存ストアとの接続に加え、新規ストアの作成・接続に向けた登録手続きにも対応する。買い物客に商品を見つけてもらう販売チャネルとしての連携と、事業者が自社ストアを運営するための連携は、用途が異なる。
<日本のEC、越境販売から影響も>
9月29日のMetaの発表では、Museの提供地域は米国とカナダとされている。今回確認した公式資料には、日本での提供開始時期は示されていない。日本のEC事業者にとっては、まず北米向け越境販売での対象条件や、自社ストアの連携設定を確認することが実務上の検討事項となる。
今回の連携からは、ECサイトへの集客に加え、外部AIを通じて商品を発見・購入してもらう接点が広がる方向性が読み取れる。日本のEC事業者にも、商品仕様や価格、配送条件、返品規定を正確に整える重要性が増すと考えられる。Shopifyは、Meta上の表示と自社サイトの情報が一致するよう、商品データやストアの各種規定を最新に保つことを求めている。
日本ネット経済新聞