【09月10日 KOREA WAVE】

「モーテル薬物連続殺人」事件のキム・ソヨン被告=ソウル北部地裁提供(c)news1
韓国の「モーテル薬物連続殺人」事件で、キム・ソヨン被告(20)が、被害者の異常な症状や薬物の検出可能性、救命措置についてChatGPTに繰り返し質問し、119番通報を勧められながら被害者を約30時間放置していたことが判決文で明らかになった。
ソウル北部地裁は8月27日、殺人や特殊傷害、麻薬類管理法違反などの罪に問われたキム被告に無期懲役を言い渡し、位置追跡用電子装置を30年間装着するよう命じた。
判決文には、キム被告が犯行前後にChatGPTへ被害者の症状や薬物が検出される可能性、通報した場合に捜査を受ける可能性などを尋ねたやり取りが記されていた。
キム被告は2025年12月、当時交際していた22歳の被害者に薬物入りの飲み物を飲ませ、意識を失わせた後、約8時間にわたりChatGPTに薬物検査について質問。「睡眠薬や抗うつ薬は全部検出されるのか」「尿から薬物が検出される可能性はあるのか」などと尋ねていた。実際に被害者の血液からは睡眠薬の成分が検出された。
さらに別の34歳の被害者と酒を飲む前日の1月9日には、知人が酒を飲んで倒れたという想定で「119番を呼ぶべきか」「そのまま床に置いたり、モーテルで寝かせたりしてはいけないのか」とChatGPTに質問した。
ChatGPTは119番への通報を求め、放置したりモーテルで寝かせたりしてはいけないと回答し、窒息や呼吸停止の危険性を警告した。しかしキム被告は、通報すれば自分が疑われる可能性があるとして、通報をためらう趣旨の返答をしていた。
翌10日、キム被告は実際にこの被害者へ薬物入りの飲み物を飲ませ、意識を失った状態で宿泊施設に1人残して立ち去った。ChatGPTに状況を説明すると、再び119番や宿泊施設のフロントへ直ちに連絡するよう勧められたが、救急や警察には通報しなかった。
宿泊施設の防犯カメラには、キム被告が立ち去ってから約30時間後の12日午前5時40分ごろ、被害者が初めて客室のドアを開けて外に出る姿が映っていた。
裁判所は、キム被告が生存した被害者の状態やChatGPTの回答などから、薬物による死亡の危険性を認識していたと判断。繰り返された犯行や薬物の投与方法などを総合し、男性2人が死亡した事件について、殺人の未必の故意があったと認定した。
キム被告は捜査機関や法廷で、ChatGPTに何を尋ね、どのような回答を受けたのか「全く覚えていない」と主張した。しかし裁判所は、被害者との会話や飲食物、被害者の行動などは詳細に記憶して反論しているとして、「ChatGPTのチャット内容だけを全く覚えていないという主張は納得し難い」と指摘した。
キム被告と検察はいずれも一審判決を不服として控訴している。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News