イスラエルのドローン・防衛テック企業「XTEND」、NYSE上場へ ― 企業価値15億ドルを見込む – 駐日イスラエル大使館 経済部

イスラエルのドローン・防衛テック企業「XTEND」、NYSE上場へ ― 企業価値15億ドルを見込む

2026.09.03
ロボット・AI・製造関連技術
防犯・防災・航空宇宙・サイバーセキュリティ

イスラエル発のドローン・防衛テクノロジー企業「XTEND」が、ニューヨーク証券取引所(NYSE)での株式取引を開始する予定であることが報じられました。同社の上場時の企業価値は約15億ドルと見込まれています。

XTENDは2018年に設立されたイスラエル企業で、AI、ロボティクス、ドローン技術を組み合わせた自律型ロボット向けのプラットフォームを開発しています。危険で複雑な環境に人が直接立ち入ることなく、遠隔操作や自律技術によって作業を行うことを目指しており、防衛・安全保障分野を中心に事業を拡大しています。

同社によると、現在までに30カ国で12,500台以上のシステムを展開しています。また、NATO加盟国の国防省との最大1,500万ドル規模の複数年契約や、米国国防総省との1,200万ドル規模の契約を獲得するなど、海外での導入実績を拡大しています。

XTENDは、既存の上場企業JFBとの合併を通じて株式市場への参入を進めています。今回の取引では、複数の民間投資家から総額1億ドルの資金提供を受ける予定で、同社はこの資金を今後の事業拡大に活用します。

XTENDには、イスラエルの防衛テック投資ファンドProtegoのほか、Union Tech、Chartered Group、Len Blavatnik氏、テルアビブ大学のベンチャーキャピタルであるTAU Venturesなどが投資しています。特にChartered Groupは、今回の新規投資家参入前にはUnion Techと並ぶ主要株主の一社であり、約14%の株式を保有していました。今回の取引後も株式を保有する予定です。

XTENDは、もともとゲーム関連企業としてスタートしました。創業者のAviv Shapira氏とMatteo Shapira氏は、ゲーム会社Replayを設立し、同社をIntelに約2億ドルで売却した経験を持ちます。その後、ドローンを操作するための技術を現実世界のロボットやドローンに応用する方向へ事業を転換しました。

現在、同社は自社の技術を「自律型ロボットのオペレーティングシステム」と位置付けており、AI、ロボティクス、ドローンという3つの成長分野の融合を目指しています。

一方で、上場を前に課題も残されています。2026年第1四半期の売上高は580万ドルで、前年同期比234%増と急速に成長している一方、純損失は1,150万ドルに拡大しました。2025年通期の売上高は2,000万ドル、純損失は2,700万ドルでした。

XTENDは今後、AIと自律型ロボットへの世界的な需要拡大を背景に、海外市場での事業展開をさらに加速させることを目指しています。イスラエル発の防衛テクノロジー企業が、世界各国での導入実績と国際的な投資家からの支援を背景に、グローバル市場で存在感を高めている事例として注目されます。