ChatGPTが筆者のために10分程度で作成したカスタムウェブサイト「Nine Away」。友人とのグループ旅行を計画するためのサイトだ。Kelsey Vlamisサム・アルトマンがChatGPTに入力したプロンプトを公開したので、筆者もそのまま使ってみた。すると、コードを1行も書くことなく、グループ旅行の計画を立てるための完全に機能するウェブサイトを作ることができた。この実験を通じて、プログラミング経験のない私も、ようやくバイブコーディングの方法を理解できた。
サム・アルトマンが私にバイブコーディングのやり方を教えてくれた。
私はここ数カ月、同僚たちが執筆したバイブコーディングに関する優れた記事を読み続けてきた。消防士や忙しい親など、ごく普通の人たちが生活を便利にするための独創的なツールやサービスを次々と作り出している様子が紹介されていた。

初心者のためのバイブコーディング入門 | Business Insider Japan
自分でも試してみたいとは思っていたが、コーディングの経験がほとんどないことがネックだった。10代の頃にMySpaceページをカスタマイズするためにHTMLを編集したり、大学でコンピューターサイエンス入門の授業を受けたりしたことはあるものの、内容はもはやほとんど覚えていない。そのため、なかなか一歩を踏み出せずにいた。
そんな状況が変わったのは7月下旬のことだ。OpenAIの共同創業者兼CEOのサム・アルトマン(Sam Altman)が、スマートフォンからChatGPTに入力したプロンプトをXで公開したのだ。
「チャット履歴をすべて参照して、8人の友人との週末旅行のアイデアを考えてほしい。最適な候補を3つ選び、9人全員が各旅行先でやりたいことを調整し、行き先を決められるフルスタックのウェブサイトを作ってほしい。そして全員の合意が得られたら予約を済ませてほしい。さらに、サイトの準備ができたら友人たちに送れるメールの下書きをGmailで作成してほしい」
これを見て私も「よし、やってみよう」と思い、そのテキストをそのままコピー&ペーストしてChatGPTに入力した。すると2時間も経たないうちに、自分の興味にぴったり合った3つの旅行プランを備えた、完全に機能するウェブサイトが完成した。
コードの書き方を実際に学ぶことなく、プログラミング未経験の私でも自分専用の便利で実用的なアプリやウェブサイトを構築できる――というバイブコーディングの謳い文句は、やはり夢物語ではなかったようだ。それを教えてくれたのは、ほかでもないOpenAIのトップだった。
ChatGPTが提案した目的地と旅程は、私にとって完璧だった。Kelsey Vlamis技術的な作業はすべてChatGPTが手ほどきしてくれた
今回の実験では、月額20ドル(約3200円)のPlusプランに加入している私個人のChatGPTアカウントを使用し、モデルを「GPT-5.6 Sol」、思考能力(intelligence)を「High」に設定した。
作業開始から9分47秒後、ChatGPTは3つの目的地候補に加え、完成したウェブサイトのソースコードのダウンロードリンクや、メールの下書きを返してきた。
提案された旅行先は、サンタ・イネス・バレー、サウス・レイク・タホ、トドス・サントスの3カ所だった。驚くほど私の好みに合わせて選ばれており、そのうち2カ所は、もともと行ってみたい場所として上位に挙げていた旅行先だった。私は感心した一方で、「このリンク、本当にウェブサイト一式のコードが入っているの?」と半信半疑でもあった。
ChatGPTの回答には、プロジェクトの内容やインストール・公開方法を説明した「README」ファイルも含まれていた。アルトマンのようなプログラミング経験者にとっては、これ以上ないほど分かりやすい説明だったのかもしれないが、私にはほとんど意味不明だった。
そこで私はChatGPTに、説明どおりに作業する方法も、パソコン上でサイトを動かす方法も、ましてやインターネット上に公開する方法もまったく分からないこと、自分にはコーディングの技術がまったくないこと、そして次に何をすればいいのかを、専門用語を使わず一つひとつ順を追って説明してほしいと伝えた。
作成したウェブサイトでは、旅行先や具体的なアクティビティについて、参加する友人それぞれが投票できるようになっていた。Kelsey Vlamis
私はChatGPTが示した手順に従って作業を進めた。中には、Macで「Commandキーとスペースキーを押して、検索からTerminalアプリを開いてください」といった、私がほとんどやったことのない操作まで含まれていた。ChatGPTは、Pythonのインストールから、GitHubのアカウント作成、Render(クラウドホスティングサービス)を使ったサイトの公開まで、一つひとつ丁寧に案内してくれた。さらに、サイトをインターネット上で公開する前に、Macのローカル環境で動作確認する方法も教えてくれた。そのコードの完成度が非常に高く、きちんと機能していたことには本当に驚かされた。
これらの用語に馴染みがなかったとしても、心配はいらない。私も同じだった。
私はウェブサイトを公開するため、Renderに月7.25ドル(約1100円)を支払ったが、後になって、無料の選択肢はないのかとChatGPTに尋ねると、Cloudflareを勧められ、「最初からその方法を選んでいても、手順は同じくらい簡単だった」と説明された。
ChatGPTは私がプログラマーではないことを理解していたことから、今回のようなごくシンプルなプロジェクトであれば、無料の選択肢を最初に提案すべきだったと認めた。つまり、AIらしい失敗はまだ多少残っていたということだ。
この記事のためにOpenAIに問い合わせたところ、広報担当者は、最近公開された「Sites」という新機能を紹介してくれた。これは、Plusプランのユーザーであれば、ChatGPT上でウェブサイトを作成し、プレビュー、編集、公開まで無料で行える機能で、サードパーティーのホスティングサービスは必要ないという。
この機能は現在パブリックベータ版として提供されており、私のアカウントでもすでに利用可能になっていた。ChatGPTはここでも、「Sitesも選択肢として提案すべきだった」と認めた。