「ChatGPT」の音声モードに慣れると、キーボードには戻れなくなるという話 – CNET Japan

 「ChatGPT」には、多くの人がまだたどり着いていない使い方がある。テキストボックスとにらめっこしながら、有用な回答を引き出そうとプロンプトの言い回しに頭を悩ませる必要のない使い方だ。音声モードはその手間を丸ごと取り除いてくれる。こちらが話すとAIが答え、続けて質問すると会話が展開していく。その感覚は、フォームに入力する作業というより「声に出して考える」ことに近い。物珍しさが薄れるほど使い込むと、逆にプロンプトを打ち込む従来のやり方の方が奇妙に思えてくる。会話で済むはずのことを、わざわざ面倒にしているからだ。

 これは単なる音声入力(voice-to-text)機能ではない。実際に、流れるような会話をしている感覚がある。こちらが考え終えるまで賢く待ち、自然な間を理解し、「えーと」や言いよどみにも動じない。筆者は料理中や運転中にも、一語一語を慎重に組み立てることなく、普段どおりの話し方で使っている。

 タイピングより速いだけではない。AIとやりとりする方法として、より直感的で実用的なのだ。これまで無視してきた人は、損をしていると言っていい。

 ハンズフリー化を進めているのは、米OpenAIのChatGPTだけではない。米Googleの「Gemini Live」も「途中で話しかけても付いていく」という同じ感覚を提供する。米Anthropicの「Claude」はモバイルアプリで音声モードのベータ版を提供しており、話しながら画面に要点を箇条書きで表示する。米Perplexityのアシスタント(iOS/Android)も音声の質問に答え、指示すれば「OpenTable」や「Uber」といったアプリを起動してくれる。

 だが、リアルタイムのAI会話を各社がこぞって磨き上げている今でも、筆者の定番はChatGPTのままだ。どのチャットボットを使うにせよ、タイピングをいったん休んで、音声オプションを試してみてほしい。想像よりはるかに役に立つ。

音声モードとは何か

 音声チャットは、いわばChatGPTのハンズフリーモードだ。タイピングは一切不要で、AIモデルに話しかけると音声で返答が返ってくる。モバイル、デスクトップ、ウェブの各アプリで、会話画面の右下に音声アイコンがある。ボタンを押して質問を声に出せば、ChatGPTがそれを文字起こしし、考えて答える。話し終えるとすぐに聞き取りを再開するので、自然な会話のキャッチボールが生まれる。

 OpenAIはこの音声会話を2種類提供している。無料のデフォルトである軽量版「Standard Voice」と、有料ユーザー限定の「Advanced Voice」だ。

 Standard Voiceは、まず音声をテキストに変換してから「GPT-4o」(および「GPT-4o mini」)で処理するため、返答までにやや時間がかかる。一方のAdvanced Voiceはネイティブなマルチモーダルモデルを使う。音声をそのまま「聞き」、音声を直接生成するため、会話はより自然でリアルタイムに成立する。話す速さや声に含まれる感情など、言葉そのもの以外の手がかりも拾い、それに合わせて応答を調整できる。

 なお、無料ユーザーもAdvanced Voiceのプレビューを毎日利用できる。

ChatGPTの音声モードを使い始めるべき7つの理由

1. 会話として本当に成立する

 タイピングと違って、ChatGPTと話すときは、ぴったりの言葉を探したり、打ち間違いのたびにバックスペースを押したりしなくていい。友人や家族と話すときのように、「えーと」や「なんか」や気まずい間だらけのまま、ただしゃべればいい。音声モードは言いかけの考えにも付き合ってくれて、しっかりした答えを返すか、こちらの求めるものを絞り込むための質問を投げ返してくる。この気負いのないやりとりは、タイピングよりずっと自然に感じられる。

2. ハンズフリーで使える

 もちろん、最初にChatGPTアプリを開いて音声モードのボタンをタップする必要はある。だが一度始めれば、あとは手を使わずにAIチャットボットとの会話を続けられる。渋滞にはまりながら、今年後半に行きたい旅行の計画を練ることもできる。スマートフォンに触れずに航空券、ホテル、観光名所、レストランなど何でも尋ねられるし、会話はアプリ内に保存されるので、ChatGPTが教えてくれた内容をすべて覚えておく必要もない。

3. リアルタイム翻訳で語学学習にも向く

 先に触れたように、筆者は語学の練習に音声モードを使っている。これはまさに得意分野だ。筆者が英語で話すと、ChatGPTは完璧なポーランド語で、発音のコツまで添えて返してくれる。「(言語名)の練習を手伝って」と頼めば、会話のきっかけ、基本語彙、数字など、手伝い方の候補をいくつか挙げてくれる。しかも前回の続きを覚えているので、ある意味でレッスンとして続けられる。「Duolingo」は要らない。

4. 現実世界で目にしたものについて答えてもらえる

 これはAdvanced Voice限定の機能だが、音声モードの中でも筆者のお気に入りと言っていい。マルチモーダルの強みを生かして、スマートフォンのカメラを起動したり、動画や写真を撮ったりして、ChatGPTに助けを求められるのだ。例えば筆者は、リサイクルショップで見つけた絵画の正体が分からず、店主も出どころを知らないということがあった。そこで音声チャットを立ち上げ、カメラをオンにして、この絵は何かと尋ねた。数秒で、絵のタイトル、画家の名前、描かれた年代まで教えてくれた。

5. 障害のある人にとって、より使いやすい選択肢になる

 弱視やディスレクシア(読み書き障害)のある人にとって、話すことはタイピングより確実に楽だ。音声モードは話した内容を文字起こしし、回答を好みのペースで読み上げてくれる(設定で調整できるほか、ChatGPTに「ゆっくり話して」と頼んでもいい)。ハンズフリーである点は、運動機能に困難を抱える人にも役立つ。キーボードで長々と入力しなくても、開始に1タップ、終了にもう1タップで済むからだ。

6. ブレインストーミングが速くなる

 アイデアが一気にあふれて、タイピングが思考に追いつかないことがある。そんなとき、ChatGPTの音声モードは、記事のネタ出しや、リビングの新しいレイアウト、今週作ってみたい料理を考えるのにぴったりだ。スマートフォンの画面を見つめる代わりに声に出して考えるので、アイデアがずっとスムーズに、速く流れ出す。ChatGPTが即座に返してくるフォローアップも効く。ブレインストーミングの対象が何であれ、案が磨き上がるまで勢いを保ってくれる。

7. その場で要約して読み上げてくれる

 映画の脚本や教科書のような90ページのPDFをチャットに放り込み、要約を頼んで、洗濯物を畳みながらAIに読み上げてもらう。あらゆる文書(筆者はWikipediaのページでもやる)を、オンデマンドでポッドキャスト化するようなものだ。

 音声モードは、ちょっとした小技ではない。ChatGPTを手早く、より自然に使う方法だ。街の看板を翻訳するにせよ、アイデアを練るにせよ、ニュースを声で追いかけるにせよ、ChatGPTと話していると、チャットボットを操作しているというより、手のひらサイズの専門家と会話している感覚に近くなる。声に出して考えることに慣れたら、もうキーボードには戻れないかもしれない。

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この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。