Metaは米国時間7月9日、マルチモーダルAIモデル「Muse Spark」の次期バージョン、「Muse Spark 1.1」を発表した。エージェント機能に特化し、PCの操作やコーディング、マルチモーダルな理解などの分野で大きく進化したという。
【Muse Spark 1.1のベンチマーク結果】
Muse Spark 1.1は、新たな画像生成ツール「Muse Image」に続いてリリースされた。Muse Imageについては、すでに一部の「Instagram」ユーザーが利用をオプトアウト(拒否)している。
OpenAIやAnthropicが新しい高度なAIモデルで話題をさらう中、Metaの今回の発表は、同社が1年以上の遅れと大規模な組織再編を経てAI競争に復帰したことを示している。このモデルは、元Scale AIの最高経営責任者(CEO)であるAlexandr Wang氏が率いる、MetaのSuperintelligence Labsからリリースされた。
Muse Spark 1.1は現在、「Meta AI」アプリおよびmeta.aiの「Thinking」モードで利用できる。Metaは、開発者がMuse Spark 1.1にアクセスできる「Meta Model API」のパブリックプレビュー版も公開した。
エージェント機能の強化
Muse Spark 1.1は前バージョンと比べて、複雑なプロジェクトをはるかに速く完了できるという。同社は発表の中で、「エンドツーエンドの遅延を最適化するために、マルチエージェントシステムを統制する」ようトレーニングしたと説明している。エージェントAIとは、プロンプトに回答するだけでなく、ユーザーの代わりにアクションを実行できるモデルのことだ。
このマルチエージェントシステムは、メインエージェントとサブエージェントで構成されている。メインエージェントが計画を立て、並行して動くサブエージェントにタスクを委任する。各サブエージェントは割り当てられたタスクに専念し、利用可能なツールを使用しながら、必要に応じてメインエージェントにエスカレーションする仕組みだ。
Muse Spark 1.1は100万トークンのコンテキストウィンドウも動的に管理する。過去のアクションを記憶し、以前の作業から情報を引き出し、後で必要になる重要なステップを維持しつつコンテキストを圧縮するという。これにより、モデルが一度に処理できる限界に達することなく、より複雑なタスクを依頼できるはずだ。
PCの操作とコーディング
Muse Spark 1.1に特定のタスクでPCの操作を任せることもできる。
この新モデルは複数のアプリケーションにまたがるPC操作のワークフローが強化されているという。長時間のセッションでもコンテキストを維持し、ユーザーの手をほとんど借りずに、慣れないインターフェースも操作できる。さらに、どのタスクを自動化し、どの操作を手動で行うべきかを理解できるとされている。
コーディングに関しては、Muse Spark 1.1は特に複雑なデータベースを扱うタスクにおいて大幅な改善が見込める。バグの診断と修正、エンタープライズレベルのシステムへの新機能の追加、そして大規模なコードの移行が可能だ。
真のマルチモーダル
Muse Spark 1.1はマルチモーダル機能により、タスクを完了するために見たり聞いたりすることができる。これは、「Gemini Live」のカメラ体験など、既存のAIモデルと似ている。画像や音声を取り込み、それらのソースから「極めて詳細な」キャプションを提供できる。これをエージェント的なPC操作機能と組み合わせることで、画面上の内容を解釈し、アクションを起こしてタスクを実行することが可能だ。
安全性
Metaは自社の「Advanced AI Scaling Framework」に従い、同モデルに対する広範な安全性評価をしたと強調している。このモデルは、ジェイルブレイクやプロンプトインジェクションといった一般的な攻撃に対して強い耐性を示しているという。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。