
ChatGPTと”コーディングエージェント”の「Codex」が統合した新しい「ChatGPT」デスクトップアプリが10日に登場した。
あわせて、コーディング以外の知識労働(ナレッジワーク)向けのAIエージェント環境「ChatGPT Work」が登場し、ChatGPTデスクトップアプリで「ChatGPT Work」と「Codex」を選択できるようになった。
ChatGPT Workが目指すものは、コーディング以外の一般的な“仕事”をエージェントとともに進める環境だ。ChatGPT Workはアプリのほか、Webとモバイルでも対応。Plus(月額20ドル)/Pro(月額200ドル)、Enterprise、Eduユーザーが利用可能。また、ChatGPTデスクトップアプリは、MacとWindowsで対応している。
OpenAIによれば、CodexアプリがChatGPTアプリに刷新されたこともあり、Codexのユーザ数も急増。9日時点では500万人としていたCodexユーザーが、16日には900万人を超えたという。以前からCodexは一般業務やナレッジワークで活用できると提案していたが、ChatGPTアプリ、そしてChatGPT Workというブランド展開により、(コーディング以外の)仕事のためのAIエージェントとしての位置づけを明確にした。OpenAIによる説明やデモを元にその特徴をまとめてみよう。
ナレッジワーカーのためのAIエージェント環境
これまでは、対話型の「ChatGPT」と、開発者向けの「Codex」という2つのプロダクトが存在していた。Codexでは、自律的に複数のステップを踏んで、情報を処理する「エージェント」機能を主に提供してきたが、こうしたエージェント機能をコーディング以外の業務に開放し、「すべてのナレッジワーカーが利用できるように統合したアップデート」(OpenAI Japan Developer Experience Engineerの瀬良和弘氏)と説明する。
そのため新しいデスクトップアプリでは、「ChatGPT Work」と「Codex」が1つのアプリに統合。コーディングを行なわない人は、シンプルなUIの「Workモード」を、開発者は必要に応じて「Codexモード」に切り替えて使うといった形になる。

チャット(ChatGPT)の場合、「質問を投げて回答を得る」という使い方だったが、Workでは「エージェントが自律的に情報を集め、複雑な処理を行なう」点が根本的な違いとなる。そのため、外部サービスと連携する「プラグイン」の利用が重要となる。
プラグインは、Slack、Microsoft Teams、Google Drive、SharePoint、メール、カレンダー、CRM、プロジェクトトラッカーなど1,700以上が用意され、アプリケーションだけでなく、プラグインの中に「スキル」も含まれる。プラグインに必要な知識やスキルがパッケージ化され、業務の「文脈」を共有。ChatGPT Workがエージェントとして文脈に応じて適切に使い分けて、作業を進める。
チャットによる都度の質問・応答から、業務ワークフロー全体をエージェントに委ねられるよう設計されたのがChatGPT Workとなる。

ChatGPT Workにあわせて、最新モデル「GPT 5.6」を提供開始。GPT 5.6はエージェント利用に最適化され、フラッグシップモデルの「Sol」、GPT-5.5に匹敵する性能を持ちながら低コストな「Terra」、最速で手頃な価格の「Luna」の3つのモデルが用意される。
用途に応じたモデルを選べるほか、エフォート設定は「中(Medium)」がデフォルトで、「まずはMediumがオススメ」とのこと。その結果を見ながら、タスクの内容に合わせてモデルやエフォートを調整してくことを推奨している。
また、GPT-5.6ではデータの「ビジュアル化」も強化。意図を反映したUIデザインや単純なグラフ作成だけでなく、データ分析とセットにした高度なビジュアル化の能力を向上しているという。また、スライド資料などでは、「ゴール(Goals)」を設定し、それを使うことで、エージェント自身に最適なやり方を考えてビジュアル化する。

なお、Web版でもChatGPT Workは使えるが、デスクトップアプリ版との大きな違いが「ローカルファイル」への対応。Web版は、すべてクラウドで処理するが、アプリはPC上のPDFやCSVファイルなどもエージェントの力を活用し、処理できるようになる。
ナレッジワークに広がるAIエージェント体験
ChatGPT Workは繰り返しの業務でも能力を発揮する。スケジュール済みタスクでは、スケジュールやイベント発生時に繰り返し実行させたり、時間の経過に伴う変化を監視させたりできる。
利用例としては、毎週のSlack更新を確認し、定例会議のアジェンダを更新できるほか、毎朝Webサイトとダッシュボードを確認し、変更点を要約してレポートを送信、メールで新しいフィードバックが届いたらプレゼンテーションを更新など、一定のルールに基づき定期的な作業や更新をChatGPT Workに委ねられる。

また、Enterpriseなどのビジネス向けプランでは、ChatGPTの共有プロジェクトで、複数のメンバーが、同じプロジェクト内のチャット、ファイル、プロンプトを共有しながら作業できる。各メンバーは共通のプロジェクトコンテキストを利用して作業を進められる。
なお、デスクトップアプリでは、ChatGPT WorkとCodexを選択するかたちとなるが、チャットは左ペーンに用意され、シンプルなチャット機能も引き続き利用できる。
Chat、Work、Codexを用途に応じて使い分ける構成とし、Workは、より長い調査や分析のほか、文書、スプレッドシート、プレゼンテーション、レポート、Siteなどの完成した成果物を作成するための体験と位置づける。Codexは、コードの作成やデバッグ、テスト、リポジトリを使った作業など、ソフトウェア開発に特化したエージェントとする。
業務にAIエージェントを活用と言われても、「ピンとこない」という人も多いかもしれない。しかし、ChatGPT Workを使ってみると、チャットとの対話の延長に、資料作成やデータ分析といった成果物までたどり着け、普段の仕事をエージェントに委ねるという体験をイメージしやすくなる。ChatGPTが広めた「チャットでAIに質問する」体験の次の段階に、ナレッジワークの「現場」が移りつつあるようにも感じられる。
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