米AI開発企業のAnthropicは、最上位の生成AIモデル「Claude Fable 5(フェイブル5)」について、月額定額制(サブスクリプション)での利用可能範囲を7月20日以降、上位プランに限定する方針を明らかにした。日本時間では7月20日午後3時59分をもって、無期限での無償提供期間を終了する。
これまでFable 5は、公開当初から数度にわたる期限延長を経て、Pro(月額20ドル)を含む幅広い有料プランで利用できた。しかし今回の変更により、月額100ドルからの「Max」プランと「Team Premium」プランの契約者のみが、追加費用なしでFable 5を利用できるようになる。具体的には、各プランの利用上限の50%までがFable 5に割り当てられる形だ。
一方、Proプランや「Team Standard」プランのユーザーは、月額料金とは別に課金される「使用クレジット」を通じた従量課金での利用へと移行する。Anthropicは移行措置として、対象ユーザーに対し1回限り100ドル分のクレジットを付与するとしている。
Fable 5は6月9日に公開された「Mythosクラス」に属する最上位モデルだ。しかし公開からわずか3日後、米商務省からの輸出規制指示を受け提供が一時停止。7月1日に再開された後も、需要の読みにくさを理由に、サブスクリプションでの利用期限が当初の6月22日から7月7日、12日、19日へと三度にわたって延長されてきた経緯がある。
Anthropicは公式X(旧Twitter)で、「Fableの需要は予測が難しく、そのためサブスクリプションプランへは段階的に展開し、追加のキャパシティーを確保しながら数回にわたって提供を延長してきた」と説明。その上で、「不満を招いてきたことは承知している。プランに何が含まれるのか、より確かな見通しを示したい」として、今回の線引きに踏み切ったことを明らかにしている。
なお、同社はFable 5発表当初から、需要が読みにくいための段階的提供であり、提供能力が整い次第、標準機能として組み込む方針を示していた。今回の変更は、その方針に沿ったものと位置づけられる。
今回の動きを巡っては、予測市場「Polymarket」で、Anthropicが19日の期限をさらに延長するかどうかに賭ける取引が活発化していた。17日時点で延長の確率は77%に達していたが、実際には延長ではなく、プラン階層による恒久的な線引きという決着となった。
Anthropicがこうした対応を急ぐ背景には、競合他社の動向がある。米OpenAIは7月9日、新モデル群「GPT-5.6」の一般提供を開始。Fable 5に迫る性能を大幅に低いコストで提供しているとされる。また、中国のMoonshot AIも16日に新モデル「Kimi K3」を公開するなど、最上位AIモデルを巡る競争は激しさを増している。