【追記あり】Instagramの写真を他人が無断で合成 Metaの新画像生成AIにハリウッドが反発 – KAI-YOU

FacebookやInstagramを運営するMeta社が、Instagramの公開アカウントに投稿された写真をもとにAI画像を生成できる機能を、一部の国や地域で導入した。

Metaが7月7日に発表した画像生成AIモデル「Muse Image」の機能の一つ。

公開アカウントの利用者は、デフォルトでAIコンテンツへの利用が許可された状態になっている。写真を使われたくない場合は、自ら設定を変更して拒否する必要がある(外部リンク)。

こうしたオプトアウト方式(顧客が拒否した場合に停止する方式)に対し、米「Variety」などの海外メディアの報道によれば、米国の大手タレントエージェンシー・CAAや俳優組合SAG-AFTRAなどが反発(外部リンク)。

本人の事前承諾を必要とするオプトイン方式への変更を求めている。

Instagramのアカウントを指定し、本人を含むAI画像を生成

Muse Imageは、MetaのAI開発部門「Meta Superintelligence Labs」が開発した画像生成AIモデル。

対話形式の指示から画像を新たに生成できるほか、複数の写真の合成、画像内の不要な人物の削除、文字やQRコードを含む画像の作成などに対応する。

「Muse Image」をWhatsApp上で操作する様子/画像はMeta社より

プロンプト内でInstagramのアカウントに「@」を付けて呼び出すことで、そのアカウントの公開写真を生成画像に取り込める。Metaは、写真の合成や加工を簡単に楽しめる機能として紹介している。

Muse ImageはMeta AIのほか、InstagramのストーリーズやWhatsAppの一部機能にも導入。今後はFacebook、Messenger、広告制作用の「Meta Advantage+ creative」への展開も予定されている。

画像生成AIに使用されても通知は無し

導入が進む一方、Instagramの公開アカウントは、第三者によるAI利用を初期設定で許可する状態になっている。

利用を拒否するには、Instagramの「シェアと再利用」に関する設定から、投稿やリールをMetaのAI機能で利用することを許可する項目を無効にする必要がある。なお、非公開アカウントと18歳未満のアカウントは対象外とされている。

また、自身の写真を参照したAI画像が生成されても、アカウントの所有者には通知されない。また、設定を変更する以前に生成された画像も、自動的には削除されない仕様となっている。

CAA「アーティスト自身が肖像の使われ方を決めるべき」

この仕様に対し、米国の大手タレントエージェンシー・Creative Artists Agency(CAA)は、肖像の保護を例外ではなく初期設定にするようMetaへ要求した。

CAAは、AIコンテンツへの肖像利用を希望する人だけが明示的に参加するオプトイン方式を求め、「アーティストは、自身の肖像や作品が使われるかどうかを決める権利がある」と主張。

本人が利用条件を設定し、どのように肖像が使われたかを確認できる仕組みや、無断での広告利用、搾取などを防止する措置も必要だとしている。

俳優や声優、放送関係者らが所属する労働組合・SAG-AFTRAも、本人の明示的な同意を前提とする設計を要求している(外部リンク)。

なお、執筆現在、日本では「Muse Image」の提供が開始されていない。しかし、Instagramにおける他人のAIコンテンツ利用に関する規約や設定はすでに導入されている。

「Instagramメディアの再利用」設定画面/画像はスクリーンショット

スマートフォンアプリ上では、「共有(シェア)と再利用」の設定画面からオン/オフを変更できる。

【7月11日追記】現地時間7月10日3時45分、Meta社は「Meta社のAIでInstagramの公開アカウントを@メンションすることで画像を生成できる」機能を利用不可能にしたことを明らかにした(外部リンク)。

KAI-YOU編集部が確認したところ、スマートフォンアプリ上で「他人のAIコンテンツ利用に関する設定」は削除されていた。

Meta社は、本機能の実装意図について「有用なクリエイティブツールを提供するとともに、自身の公開コンテンツがこのように参照されるかどうかをユーザーが制御できるようにすることでした」と説明。

その上で、「この機能は期待に沿わなかったというフィードバックを多数いただいたため、本機能は利用できなくなりました」と利用不可能にした理由を説明している。

Yugaming

1990年生まれの地方在住。インターネットに青春時代を持っていかれた。VRとesportsが関心領域。最近はnoteを拠点に活動している。