2025年、グーグルで100万ドル近くを稼ぎ、2026年4月に退職してAI企業を立ち上げたユスフ・イムラン。Yousuf Imranユスフ・イムランは、グーグルで年収100万ドル近くを稼ぐようになった後、AI企業を立ち上げるために退職した。大手テック企業を辞める決断を後押ししたのは、AIブームに乗り遅れることへの焦りだったという。イムランは、自分自身に賭ける前に、金銭面でどのような準備をしたのかを明かした。
この記事は、サンフランシスコ・ベイエリア在住でグーグル(Google)の元アカウントエグゼクティブ、ユスフ・イムラン(Yousuf Imran、41)へのインタビューに基づいている。文章は長さと分かりやすさを考慮して編集している。
私は2025年、グーグルのアカウントエグゼクティブとして100万ドル近く(約1億6000万円)を稼いだが、AIブームに乗り遅れることへの焦り、いわゆるFOMO(Fear of Missing Out:取り残されることへの不安)を感じていた。

グーグルが突然AI人材を失っている理由。最大の魅力は「IPO前の株式」 | Business Insider Japan
率直に話せば、グーグルで働く人の多くが同じことを言うと思う。
グーグルの報酬は非常に高い。しかし、OpenAIやアンソロピック(Anthropic)が提示する株式報酬は、まったく別次元と言っていいだろう。こうした企業で3年から4年かけて受け取る株式報酬は、人生を変えるほどの金額になり得る。
こうしたことも、AI営業ツールに特化した会社を自分で立ち上げると決めた理由の一つだ。AIブームで大きな利益を得る唯一の方法が株式を持つことなのであれば、いずれは「持つべき株式は、自分の会社のものではないか」と考えるようになる。
年収100万ドルの営業キャリアを築くまで
私はニューヨークのクイーンズで育ち、学歴や肩書よりも才能で勝負できる仕事だと考え、営業の道に進んだ。
営業職として約15年のキャリアを積んだ後、私は2020年にグーグルへ入社し、同社のAIや機械学習技術を使って顧客の事業課題を解決する仕事に携わった。
2025年の基本給は約17万ドル(約2720万円)だったが報酬の大半を占めていたのは歩合給で、源泉徴収票「W-2」に記載された所得は約98万6000ドル(約1億577万円)だ。
成功できた理由の一つは、私が「移民ならではのハングリー精神」と呼ぶものにあると思う。私が5歳のとき、家族はバングラデシュからニューヨークへ移住した。努力しなければ成果は得られないという考えのもとで育ってきた。
また、好奇心が強かったことも、他の営業担当者との差別化につながったと考えている。クライアントの事業について学ぶことに多くの時間を費やし、クライアントが解決しようとしている課題を理解するとともに、AIと機械学習の知識を深めた。クライアントがこうした技術を効果的に活用できるよう支援するためだ。
AIは私の本業の枠を超えた
次第に、AIへの関心はグーグルでの仕事の枠を超えていった。私は日中AI製品を販売していたが、夜や週末はChatGPT、クロード(Claude)、ジェミニ(Gemini)などのツールを試すことに費やしていた。
最初は、自分で使うための小さなプロジェクトを作っていた。私は本職のソフトウェア開発者ではないため、複数のAIツールと対話しながら解決方法を探り、試行錯誤を重ねて、ようやくうまく動かせるという具合だった。AIを使うバイブコーディングは、どこかビデオゲームのように感じられた。
AIツールの性能が向上するにつれ、手がけるプロジェクトもより本格的になっていった。約1年半にわたって複数のアプリや個人的なプロジェクトを開発してきて、私は自分で事業を立ち上げる可能性について真剣に考えるようになった。
また、グーグルが過去数年にわたって人員削減を実施してきたことから、自分の雇用がいつまで続くかについても考えてみた。最近の人員削減で印象的だったのは、本当に優秀な人たちまで対象になっていたことだった。いつ解雇されるか分からないという不安も、自分自身に賭ける決断を後押しした。
2026年4月、グーグルに入社してから6年後、私は同社を退職し、アカウントエグゼクティブ向けの営業支援ツールを開発するAIプロダクトラボ、マンゴスチン・スタジオ(Mangosteen Studio)を設立した。考え方は至ってシンプルだ。私は大手企業で20年間、売上目標を背負う営業職として働いてきた。その経験を生かして、自分が現役時代に欲しかったツールを開発しているのだ。