Grok 4.5とは?性能・料金・使い方・他社モデルとの違いを解説

最終更新日:2026/07/10

Grokの新モデル「Grok 4.5」が2026年7月8日に公開されました。多数のメディアでも取り上げられており、「どんなモデルなのか」「ClaudeやGPTと何が違うのか」「自社でも使えるのか」といった疑問を持った方も多いのではないでしょうか。

Grok 4.5 は、イーロン・マスク氏率いる SpaceXAI(旧 xAI)が2026年7月8日に公開した最新モデルです。「安く・速く・実用的」を前面に打ち出している点が、大きな特徴と言えます。本記事では、Grok 4.5 の特徴・料金・性能・他社モデルとの違い・使い方までを、DX 担当者の視点でわかりやすく整理します。

Grok 4.5とは?SpaceXAI(旧xAI)の最新モデル

Grok 4.5とは、SpaceXAI(旧 xAI)が2026年7月8日に公開した最新の大規模言語モデルです。同社で最も高性能とされるモデルにあたります。コーディングやエージェント作業、知識労働に強く、低価格とトークン効率を最大の武器にしています。

まずは全体像をつかむために、基本スペックを表で確認しましょう。

項目
内容

モデル名/ID
Grok 4.5(grok-4.5)

開発元
SpaceXAI(旧 xAI/イーロン・マスク氏)

公開日
2026年7月8日

料金
入力 $2/出力 $6(100万トークンあたり)

コンテキスト長
500kトークン

処理速度
約80トークン/秒

主な用途
コーディング・エージェント作業・オフィス業務

※SpaceXAI 公式ドキュメント(2026年7月時点)に基づきます。料金・仕様は変更の可能性があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。
出典:Introducing Grok 4.5|SpaceXAI/Models|SpaceXAI Docs

開発元「SpaceXAI」とは?旧xAIからの改名を整理

Grok 4.5 を語るうえで最初につまずきやすいのが、「SpaceXAI って何?xAI とは違うの?」という点です。結論から言うと、両者は同じ組織を指します。Grok を開発してきた xAI が、2026年に社名・ブランドを「SpaceXAI」へと変えたためです。

流れを時系列で整理すると、次のようになります。

2026年2月:宇宙開発企業 SpaceX が xAI を買収
2026年5月:xAI を独立した会社としては解消し、SpaceX の AI 部門として統合
2026年7月6〜7日:正式名称とロゴを「SpaceXAI」に変更

したがって、「Grok を作っている会社が、xAI から SpaceXAI へ名前を変えた」と理解すれば十分です。なお、公式サイトの著作権表記は現在も「xAI Corp.」となっており、法人格としての名残も見られます。

補足すると、SpaceXAI は2026年6月に AI コーディングツール「Cursor(Anysphere)」を買収したとされています。Grok 4.5 は、その Cursor と共同で学習されたモデルです。開発・活用の両面でコーディングを強く意識していることが、ここからも読み取れます。

出典:Introducing Grok 4.5|SpaceXAI

Grok 4.5の5つの特徴

Grok 4.5 の特徴は、大きく5つに整理できます。「①コーディング・エージェント性能」「②高いトークン効率」「③約80TPSの速度」「④500kの長文コンテキスト」「⑤設定可能な推論」です。順番に見ていきましょう。

①実務のエンジニアリング・オフィス業務に強い

1つめは、実際の開発現場やオフィス業務での実用性です。Grok 4.5 は、コーディング・科学・工学・数学の知識を含むデータで学習されています。1つのプロンプトからアプリを丸ごと生成できるほどの生成能力を備えている点も見逃せません。さらに、法務エージェント評価「Harvey’s Legal Agent Benchmark」では1位を獲得しました。Word・PowerPoint・Excel 向けのプラグインも提供され、資料作成や表計算といった事務作業にも対応します。

②トークン効率が高く、実コストを抑えやすい

2つめは、トークン効率の高さです。ここでいうトークンとは、AI が文章を処理する最小単位で、料金もこのトークン数で計算されます。Grok 4.5 は、同等のタスクを他社の約半分のステップで解くとされています。公式が公開した「SWE Bench Pro」の例では、1タスクあたりの平均出力トークンが15,954でした。比較対象の Opus 4.8(同67,020)に対して、約4.2分の1に収まっています。出力量が費用を大きく左右するエージェント用途では、この効率が実コストの差になって効いてきます。

③高速モデル並みの約80トークン/秒

3つめは、応答の速さです。Grok 4.5 は、約80トークン/秒という高速モデル並みのスピードで提供されます。SpaceXAI の開発ツール「Grok Build」の既定モデルにもなっています。速度とトークン効率が組み合わさることで、結果をより速く、より低コストで得やすい設計です。

④500kトークンの長文コンテキスト

4つめは、一度に扱える情報量の多さです。コンテキスト長(一度に処理できるトークン量)は500kトークンに対応しています。長いコードベースや大量の資料をまとめて渡せるため、大規模な開発や調査に向きます。

⑤推論の深さを調整できる

5つめは、推論のコントロール性です。Grok 4.5 は reasoning_effort によって「思考量」を設定でき、精度を優先するか、速度とコストを優先するかを呼び出し側で切り替えられます。深く考えさせるほど精度は上がりやすい一方、応答時間と費用は増える点に注意しましょう。段階の指定(low/medium/high)については報道もありますが、詳細は変更の可能性があるため公式の最新仕様をご確認ください。

なお、SpaceXAI は「ハルシネーション(もっともらしい誤り)が最小」とも説明しています。ただしこれは自社評価であり、実務では出力の検証を前提に使うのが安全です。

出典:Introducing Grok 4.5|SpaceXAI/Models|SpaceXAI Docs

Grok 4.5の料金・スペック一覧

Grok 4.5 の料金は、入力 $2/出力 $6(いずれも100万トークンあたり)です。上位クラスのモデルの中では、際立って低価格な設定と言えるでしょう。

主なスペックと料金を、あらためて一覧にまとめます。

項目
Grok 4.5

入力料金
$2 / 100万トークン

出力料金
$6 / 100万トークン

高速版(Cursor 提供)
入力 $4/出力 $18

コンテキスト長
500kトークン

処理速度
約80トークン/秒

推論設定
設定可能(reasoning_effort)

対応機能
Web検索・X検索・関数呼び出し・構造化出力・コード実行 など

※SpaceXAI 公式ドキュメントおよび Cursor 公式ブログ(2026年7月時点)に基づきます。料金は変更の可能性があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。

他社モデルとの料金の目安

価格の位置づけをつかむために、他社の主要モデルと比べてみましょう。ただし他社の数値は各社公式や報道に基づく目安であり、変動する点にご注意ください。

Grok 4.5:入力 $2/出力 $6
Claude の Opus 4.8:入力 $5/出力 $25
OpenAI の GPT-5.5:入力 $5/出力 $30

こうして並べると、Grok 4.5 は特に出力料金の安さが目立ちます。エージェントのように出力トークンが多くなる用途では、この差が実際の請求額に直結するでしょう。

なお、SpaceXAI は Grok Build と Cursor で、期間限定の無料利用を提供しています。まずコストをかけずに試せるのは、導入検討の初速という点でも見逃せません。

出典:Introducing Grok 4.5|SpaceXAI/Models|SpaceXAI Docs

Grok 4.5のベンチマーク・性能はどれくらい?

Grok 4.5 の性能を正直に位置づけると、「ベンチマークのトップ」ではなく「コストパフォーマンスで戦う」モデルです。純粋なスコアでは最上位のモデルに一歩譲る場面もありますが、価格とトークン効率でその差を埋めにきています。

SpaceXAI が公開した主なベンチマーク結果は、次のとおりです。

ベンチマーク
Grok 4.5
主な比較対象

DeepSWE 1.0
62.0%
Fable(max) 66.1%/GPT 5.5 64.3%/Opus 4.8 55.8%

DeepSWE 1.1
53%
Fable(max) 70%/GPT 5.5 67%/Opus 4.8 59%

Terminal Bench 2.1
83.3%
Fable(max) 84.3%/GPT 5.5 83.4%/Opus 4.8 78.9%

SWE Bench Pro
64.7%
Fable(max) 80.4%/Opus 4.8 69.2%

※SpaceXAI 公表値(2026年7月時点)。第三者モデルのスコアには各社の公表値・自己申告が含まれます。SWE Bench Pro と Terminal Bench はサードパーティモデルの自己申告スコアを含みます。

これらの数字を実務目線で読み解くと、次のように整理できます。

ソフトウェア開発の課題を解く力を測る「SWE Bench Pro」や、長時間のエージェント作業を評価する「DeepSWE 1.1」といった最難関の領域では、上位勢に差をつけられています。一方で、ターミナル操作を評価する「Terminal Bench 2.1」ではトップ級と拮抗しました。加えて、法務エージェント評価の Harvey では1位を獲得しています。得意な領域では上位モデルと張り合える、というのが実像に近いでしょう。

イーロン・マスク氏は Grok 4.5 を「Opus クラス(Anthropic の高性能モデル Opus に匹敵する水準)だが、より速く、トークン効率が高く、低コスト」と表現したと発言しています。実際、SpaceXAI 公開のベンチマークでは、DeepSWE 1.0・SWE Marathon・Terminal Bench 2.1 など複数の項目で Opus 4.8 を上回りました。第三者評価でも、AI ベンチマーク企業 Artificial Analysis の実務タスク評価「GDPval-AA v2」で4位につけ、費用対効果の高さが評価されています。ただし独立した検証はまだ蓄積の途上であり、最終的な優劣は今後の再評価で動く可能性があります。

出典:Introducing Grok 4.5|SpaceXAI

Grok 4.5とClaude・GPT・Geminiの違い

「結局、Claude や GPT、Gemini とどう使い分ければいいのか」法人での選定では、ここが最も知りたいところでしょう。結論を先に言えば、「最高精度が欲しいなら Claude や GPT の上位モデル、コストを抑えて処理量を稼ぎたいなら Grok 4.5」という軸で考えると整理しやすくなります。

あくまで一般的な傾向ですが、重視するポイント別の向き・不向きを表にまとめます。

重視する点
向いているモデルの傾向

とにかく低コストで大量処理したい
Grok 4.5

エージェントの「実装役」を安く速く回したい
Grok 4.5

最高難度の推論・長時間タスクの精度
Claude の Opus 系/GPT の上位モデル

汎用性・マルチモーダル対応
GPT 系/Gemini 系

超長文の処理・Google サービス連携
Gemini 系

実務では、高性能なモデルを計画役(オーケストレーター)に据え、実際のコード実装は安価な Grok 4.5 に任せる、という多エージェントの分業が注目されています。「頭脳は高性能モデルに任せ、手を動かす部分を安く速く回す」という考え方で、コスト最適化の観点から理にかなうという声が広がっています。

ただし、他社モデルの料金や性能は動きが速い分野です。ここで示したのは2026年7月時点の一般的な傾向であり、最終的な判断は自社の実タスクでの検証を踏まえて行うのが現実的でしょう。

Grok 4.5の使い方・利用できる場所

Grok 4.5 は現在、主に3つの場所で利用できます。「①Grok Build」「②Cursor(全プラン)」「③SpaceXAI の API(コンソール)」です。

Grok BuildとCursorで使う

Grok Build では、Grok 4.5 が既定モデルとして採用されています。AI コーディングツールの Cursor でも、全プランで Grok 4.5 を利用できます。

APIで自社サービスに組み込む

自社のシステムやプロダクトに組み込む場合は、API を利用します。SpaceXAI のコンソール(console.x.ai)で API キーを発行し、モデル ID grok-4.5 を指定すれば、数行のコードで呼び出せます。Web 検索や関数呼び出し、構造化出力といった機能にも対応しているため、エージェント的な用途にも組み込みやすい設計です。

提供地域には注意が必要

利用にあたって注意したいのが、提供地域です。Grok 4.5 は現時点で EU では利用できず、EU での提供は7月中旬が予定されています。日本を含むその他地域での提供可否は、公式で明確に確認できる情報が限られます。実際に利用する際は、公式サイトで最新の対応地域を必ずご確認ください。

出典:Introducing Grok 4.5|SpaceXAI/Models|SpaceXAI Docs

法人・DX担当者がGrok 4.5を導入する前のチェックポイント

Grok 4.5 は「コスト重視・大量のエージェント処理」に強い一方で、最高精度が求められる領域や提供地域には注意が要ります。自社で採用を検討する前に、次のポイントを押さえておきましょう。

コスト適合:出力トークンが多い用途か。エージェントや大量生成であれば、低い出力料金とトークン効率が効きやすくなります。想定する月間の入出力トークン量から、実コストをざっくり試算しておくと判断しやすいでしょう。
用途適合:最高難度の推論が必須の業務か、それとも実装役や定型処理が中心か。前者なら上位モデル、後者なら Grok 4.5 が候補になります。
提供地域・コンプライアンス:対応地域が自社の利用地域と合っているか。あわせて、データの取り扱いが社内規程やセキュリティ方針と整合するかも確認が必要です。
検証(PoC):ベンチマークの数値を鵜呑みにせず、自社の実タスクで小さく試すこと。実務での使い勝手は、公開スコアだけでは測れないためです。

コスト試算の考え方はシンプルです。月間の想定入力・出力トークン量に、それぞれの単価を掛け合わせれば、おおよその費用が見積もれます。とくに出力量が多いエージェント用途ほど、出力単価の低さが総額に効いてきます。

なお、まだ情報が揺れている論点もあります。たとえばパラメータ数は公式には開示されておらず、独立したベンチマークもこれから蓄積される段階です。最新の状況は、公式発表や第三者評価を継続的に確認することをおすすめします。

まとめ

Grok 4.5 は、SpaceXAI(旧 xAI)が2026年7月8日に公開した最新モデルです。低価格(入力 $2・出力 $6)とトークン効率を最大の武器に、コーディングやエージェント作業で高い実用性を発揮します。純粋な性能では最上位に一歩譲る場面もありますが、コストパフォーマンスとエージェント用途では十分に競争力のある選択肢と言えるでしょう。利用は Grok Build・Cursor・API の3つが入り口です。

まずは無料枠や Cursor で小さく試し、自社の実タスクで効果を確かめてから本格導入を判断するのがおすすめです。

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