イスラエル/米WalkMe日本法人、AI投資の「実行ギャップ」解消へ 現場のAI回避を防ぐ「DAP 3.0」 – 週刊BCN+

 イスラエルと米国に本社を置くWalkMe(ウォークミー)日本法人は6月17日、企業が新たに導入したAIを中心としたデジタルツールやシステムの定着化(デジタルアダプション)に関する調査結果を発表した。野田亮代表取締役は、調査を通して明らかになった課題の解決を支援する方針を示した。

 調査では、1000人以上の組織に雇用されている3750人の回答と、同社が提供するエンタープライズアプリケーションにおける実際のユーザーインタラクションを組み合わせて分析した。その結果、企業のDX投資のうち40%が定着化の問題で期待される成果を下回る「実行ギャップ」が浮き彫りになった。定着の遅れにより失われる時間は従業員1人あたり年間51労働日に達するという。

 野田代表取締役は、現場ではAIの利用をあえて避ける「AIスキップ」が発生していると指摘する。タスクあたりの使用アプリケーションが多いほど、AIを使わない従業員の割合が増えており、八つ以上のアプリを使用している場合、54%はAIがあるにも関わらず活用していないという。その要因の一つが、業務ルールや設計の定義、業務の流れといった情報を理解していないAIは信頼できないという点だ。信頼性や正確性を調べるために時間や労力を使いすぎたり、確信の持てないアウトプットで業務に損害を与えたり、といった点が問題となっている。

 こうした課題に対し、同社は「DAP(デジタルアダプションプラットフォーム) 3.0」を提唱。DAPツール「WalkMe」に生成AIを組み込むだけでなく、能動的かつユーザーの文脈に応じてAIを使いこなすための機能を提供する。中核となるのはさまざまなアプリに常駐する共通の実行レイヤー「アクションバー」だ。画面の画像ではなくメタデータを正確に把握する独自技術で、安全性と安定性の両立を図る。ユーザーはプロンプトを意識せずとも業務文脈に応じた適切な誘導や自動化を享受できるとする。

(南雲亮平)