公開
2026年07月06日 18時50分
著者

村田知己
[ITmedia]
米Palantirのアレックス・カープCEOは、米CNBCが7月1日(現地時間)に公開したインタビューで、米OpenAIのサム・アルトマンCEOや米Anthropicのダリオ・アモデイCEOの名前を挙げつつ、最先端のAIを提供する企業のビジネスモデルを批判した。「彼らが自らのアルファ(競争優位性)を構築するために、なぜ顧客がデータへのアクセス権を渡さなければならないのか」――企業顧客の疑問をこう代弁し、直前に発表した米NVIDIAとの提携の重要性を強調した。

インタビューに応じるカープ氏(出典:CNBC Television)
「モデルは無責任に過大評価されて売られてきた」
カープ氏は「ダリオとプライベートで議論するほど楽しいことはない。彼らを中傷するつもりはない」と断った上で、現在のAI製品の販売手法は「何かが完全に間違った方向へ進んだ」と切り出した。
米国企業の基本認識は「トークンに時間を浪費して何の価値も得られず、知的財産(IP)だけを奪われる」というものだと主張。司会者が「それは中傷に聞こえる」とただすと、「いや、これはリポート(報告)だ」と返した。企業トップは公の場では発言を控えるが「プライベートでは激怒している」とし、その原因を「モデルが完全かつ無責任に過大評価されて売られてきたからだ」と指摘した。
トークン課金への疑問も投げかけた。「それほど価値があるなら、なぜトークン単位で課金するのか。明日10億ドルを稼がせられるなら『稼がせる分の30%が欲しい』と言うはずだ」。
安全保障についても「(シリコンバレーの企業によってウェイトが調整されたモデルを国防に利用することで)この国の戦場をシリコンバレーのコンセンサス(合意形成)にアウトソーシングするのは狂気だ」と語気を強めた。
NVIDIAとの提携で「生産手段」を顧客の手に
このような業界の課題に対してPalantirが6月29日に打ち出したのが、NVIDIAとの提携だ。PalantirはNVIDIAのオープンモデル「NVIDIA Nemotron」をベースに、米政府機関向けに「フロンティア級」のカスタムモデルを構築する。モデルは外部ネットワークから隔離された「エアギャップ」環境で稼働。政府機関や重要インフラ事業者は、自前のインフラで自らのデータを学習させ、ウェイト(重み)を含むモデルの完全な所有権を保持できるとうたう。
カープ氏はPalantirとNVIDIAの方向性が一致した点を、「顧客自身がコンピューティング、モデル、データスタック、アルファへのコントロールを保持すること」だと説明。「オープンモデルを最先端モデルと同水準まで引き上げることは可能だ。しかもウェイトは顧客がコントロールする」とし、「顧客は『生産手段』を自分たちが所有していると確信したいのだ」と主張した。
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