復活のGoogle Home スピーカーと暮らしてみた。Gemini for Homeの実力はいかほど?(Google Tales)

Googleが数年ぶりにスマートホーム製品を出しました。あまりに長いこと関連の更新がなかったので、この「Google Tales」コラムで2024年にGoogle Homeもお墓に?と心配しましたが、どうやらGeminiくんのお陰で命拾いしたようです。「Gemini for Home」の伝道という使命を帯びての登場です。お値段は1万6800円。

新モデルは、ディスプレイはついていないスピーカーです。名前は「Google Home スピーカー」。長い上に固有名詞っぽくなくて、記事を書くのにちょっと不便なので、ここでは「新スピーカー」と呼びます。

この子の登場と引き換えに、これまで存続していたスピーカーの「Google Nest Mini(第2世代)」と「Google Nest Audio」は販売終了です。Miniは壁掛けもできて、お値段も手頃だったのでちょっと惜しいです。

本筋とズレますが、これまでのGoogleのスマートホーム製品は以下のとおりです(Nest Camやドアベルを除く)。

1. 2017年10月:Google Home(初代)
2. 2017年10月:Google Home Mini
3. 2017年12月:Google Home Max (日本未発売)
4. 2018年11月:Google Home Hub(現 Nest Hub 第1世代)
5. 2019年11月:Google Nest Mini(第2世代)
6. 2019年11月:Google Nest Hub Max
7. 2019年11月:Nest Wifi(拡張ポイント)
8. 2020年10月:Google Nest Audio
9. 2021年5月:Google Nest Hub(第2世代)
10.2022年6月:Google Pixel Tablet(充電スピーカーホルダー装着時)

ちなみに「Google Home」と「Nest」という2つのスマートホームブランドは、当面併存しそうです。今後、カメラやディスプレイの次世代モデルも出るとしたら、それらも「Google Home」ブランドになってNestは消えていくんでしょう。

Apple HomePod miniに似てる?

新スピーカーはMiniを2段重ねしたくらいのサイズで、それなりに重さもあるのでMiniのようには壁掛けはできません。表面のメッシュの肌(きめ)はMiniより粗くなり、むしろAppleの「HomePod」に近いです。

▲Nest Mini(左)、新スピーカー(右上)、HomePod(右下)(夫のHomePodの上にのっけたらあとで叱られた)

うちにはないので比較できませんが、HomePod miniととても似てるかも(HomePod miniには頭にお皿みたいなディスプレイがあるけど)。というわけでChatGPTに比較画像を生成してもらいました(Geminiくんは頑なに作ってくれませんでした。なんでかなー)。

▲HomePod mini(左)とGoogle Home Speaker(ChatGPTによる比較図)

意外だったのは、しっぽ(電源ケーブル)が直付けになっていること。これまではDC電源プラグでした。ケーブルが断線したら本体ごと修理ということになるのかなぁ。

▲電源まわり

音質とかはあまり分からない方ですが、360度に広がる音は結構いいと思います。少なくともMiniより格段に。デスクに置いて音楽を再生すると結構低音が手に響くので、Google Homeアプリの「イコライザー」で低音下げ気味にしました。

基本操作

セットアップは、Google Homeアプリで底面のQRコードを読み込むと、あとは指示に従うだけでさくさく進みます。Wi-FiとBluetoothがオンになっていれば数分で終わるはずです。

配置名(リビングとか)を選択するとデバイスの名前が配置名(リビングとか)になっちゃうのは相変わらずですが、まあセットアップが終わってから「デバイス情報」で「デバイス名」を変更すれば済みます。

起動もこれまで通り「ねぇ(または「へい」または「OK」)Google」と声で行います。すぐに相談できるようにノートPCのすぐそばに置いてみたので、例えば頭をトンとつつくことでも起動できるといいんだけど、そういう機能はありません。

▲いつでも相談できるように仕事机に置いてみました

頭をトンとつつくのは、再生中の音楽を一時停止したり、アラームやタイマーのチャイムを止めたり、話しているGeminiくんを黙らせたり、音量を調整したりする操作です。Google Homeアプリが大幅バージョンアップ(4.20)されると「Stop」でも黙るらしいんですが、うちにはまだアップデートが降りてこないので、説明が長くなるときは今のところ頭をトン、してます。

音のボリューム調整はNest Miniなどと同様に正面から見て右上をトントンすると大きくなり、左上トントンで小さくなります。Miniのような「○○○」は表示されないので、ちょっと分かりにくいかも。

本体底部の「ライトリング」の光り方は数種類。呼び掛けて起動すると、ユーザーに耳を傾けている間白く点滅し、考え中は青と紫、「続けて会話」(後述)でしばらく待ってもこちらが何も言わないと、ちょっと白く強く光って消えます。何もしていないのにリングの一部が白く点滅しているときは、次の予定などについて言いたいことがあるときなので「OK、Google、何?」などと尋ねると説明が始まります。

タイマーやアラームを設定しておくと、チャイムと同時に白いリングが点滅します。マイクを物理ボタンでオフにするとオレンジ色になります。あとは、まだ見たことはないですが、ネットワークエラーなどの場合は黄色く光るそうです(こちらのヘルプページを参照しました)。

「Gemini for Home」ってどんな感じ?

最初にも触れましたが、新スピーカーの最大のウリは、Geminiのために設計した、という点です。

「Googleアシスタント」が「Gemini for Home」に移行することは、昨年3月に発表済みで、旧モデルでは数カ月前からプレビュー版を使えるようになっていました。使い始めた頃は、スマホ上のGeminiのように対話できるわけでもなく、Googleアシスタントよりもレスポンスが遅かったり(照明をつけて、などの単純なお願いにも少し考え込んだり)で、どうなることかと思いましたが、少しずつよくなってきています。

で、じゃあ新スピーカー上のGeminiくんが旧モデルより群を抜いてお利口かというと……よくわかりません(公式ではレスポンスが早いということになっていますが、体感では、うーん)。ストップウォッチで計測したわけではないんですが、質問に返答するスピードも体感的にはそれほど変わらないです。

何かしらのGoogle Home製品(Nestを含む)を持っているなら、待っていればGemini for Homeが使えるようになります。(後述の「Gemini Live」はあまり古いモデルは対応していません)

ここからは新スピーカーの、というよりGemini for Homeについての話です。

今できないことも、そのうちできるようになりそうなので、できなかったことを紹介することにはあまり意味ないかも。例えば、最初は朝の5時に「ねえGoogle、おはよう」と話しかけても「こんにちは、今日は6月○日~」と答えていました(米国では朝も昼も「Hello」なんでしょう)。でもフィードバックしてしばらくしたら「おはようございます」に変わりました。

Geminiの声は、スマホアプリと同様に10種類から選べます。私は「Croton」(艶のある・低い声)にしました。長い会話をするときは、あまりキラキラした声だと疲れるので。また、新スピーカーだけ「Voice Match」をオンにして、カレンダーやメール、連絡先、タスクなどを操作できるようにしました。

スマホアプリのGeminiとGemini for Homeには違いがあるでしょうか。なぜかあるんです。

双方に幾つか同じことを言ってみたところ、今はスマホアプリ版の方がお利口です。例えば「7月2日の予定は?」と尋ねると、両方ともカレンダーを参照して「○○さんと11時半からランチの予定が入っています」と答えます。

スマホアプリ版はカレンダーに入れてある場所も表示しますが、for Homeは「場所は登録されていません」と答えました。「明日イオンシネマ新百合ヶ丘で朝一番に上映されるのはなんの映画で何時から?」にはfor Homeはまちがえた答え(架空の8時半からの上映回を紹介した)。うーむ。(これもそのうち改善されると思いますが。)

いやいや、いいところを紹介しなくちゃ。

「続けて会話」は良い

「続けて会話」機能はいいです。従来のやりとりは1回で完結でした。「ねぇGoogle」で質問すると、それにGeminiが答えておしまい。それが、Geminiが答えたあと数秒間は続きの質問を待ってくれるので、その間に関連することを何か言えば会話が続くようになりました。新スピーカーの場合は待機中の白いリングライトが光っている間です。ディスプレイ系では画面の左上に待ってますアイコンが表示されます。

▲Nest Hubの場合の待機状態(「今日の渋谷の天気は?」と尋ねた後です)

待たれると焦って言い間違いが増えがちですが、しどろもどろになっていても、ちゃんと理解してくれるのが優しいです。

「続けて会話」を使うには、Google Homeアプリの右上の自分のプロフィール画像→[設定]→[Gemini for Home 音声アシスタント ]→[続けて会話]をオンにします。

さらに会話がはずむ「Gemini Live」は要Premiumプラン

「続けて会話」はGemini for Home搭載の現役製品すべてで使えますが、「Gemini Live」はGoogle Home PremiumのStandardプランまたはAdvancedプランが必要です(Standardプランなら「Google One」の月額2900円の「Google AI Pro」プランの特典に含まれています)。また、使えるのは「Google Nest Hub Max」以降のモデルです。

また話がズレますが、Google One Proプラン、GeminiやNotebookLM、Google Healthなども使っている人にとってはお得です。ClaudeのProプランがClaudeだけで月額20ドル(約3000円)なのを思えば安いもんです。ここに各プランの比較表があります。

話を戻して、Gemini Liveは、「ねぇGoogle、話そう」と話しかけることで始まる会話です。うまく会話を始められるとチャイムが鳴ります。その後は、Geminiが話している間でも割り込んで話しかけるとちゃんと聞き取って返事を変えてくれます。割り込まない場合は、Geminiが話し終わってから15秒間はこちらの次の発言を待ってくれます。こちらから終了を宣言しないと会話は終わりません。終了するには「どうもありがとう」「停止」「完了」のいずれかを言います。会話を終了した後1時間以内であれば、「ねぇGoogle、また話そう 」でその会話を再開できます。

今のところGemini Liveの会話の履歴はアプリの「家の履歴」に会話としては残らないので、込み入った相談はWeb版のGeminiにテキスト入力でした方がいいと思いましたが、「明日、友人と新宿で会うんだけど」のような相談で天気や服装、カフェを探してもらうなどのカジュアルな相談には十分使えると思いました。

Voice Matchを有効にして、カレンダーやリマインダーにアクセスできるようにしておくと、次の予定を教えてくれたり、カレンダーに予定を追加したり、買い物リストに買うものを追加してくれたりするのが便利です。

新スピーカーとGemini for Homeを数日使って

新スピーカーの音質や使い勝手はだいたい満足です。テレビのスピーカーにするようなMatterを活かした使い方もそのうち試してみたいですが、それにはGoogle TV StreamerをうちのAndroidテレビに刺さなくちゃならず、もうポートがいっぱいなので保留です。

Gemini for Homeについては、正直まだ使い切れていない感じです。大きなウリであるNest CamなどのカメラとPremiumを組み合わせた高度な機能は、Nest Camを使っていないので試していません。家族がたくさんいたり、一戸建てに住んでいる人には便利そうです。

使った範囲での感想は……これからの成長に期待、です。

今困ってるのは、せっかくVoice Matchで私の声を憶えてもらったのに、今朝になって突然、私を忘れてしまったこと。「今日の予定は?」ときいても「アカウントに基づく情報を提供するには、許可が必要です。Google Homeアプリから変更してください」というつれない返事。

▲少し前まで私の予定を把握していたのに(左)、今日は急に「あなたのことなんて知らない」状態に

アプリを見てもVoice Matchはオンになっているのに。Voice Matchをオフ/オンしても、アプリのキャッシュを削除しても、新スピーカーの電源を抜き差ししても、答えは同じ。

多分全部リセット(アプリも再インストール、新スピーカーも工場出荷状態から再設定)すればいいんでしょうけど、それをこれから何度もやることになったら嫌だなぁと、今はちょっと腕組みしてます。

たぶん日進月歩の勢いで成長してくれると思うので、地道にフィードバックしていくつもりです。買い物リストを音声で追加してもらうの、便利だったのになぁ。

と、一旦書き終わった後数日経って、「あなたのことなんて知らない」の原因が分かりました。どうやらGoogle Homeアプリのアップデートで、「Voice Match」と「アカウントに基づく情報」へのアクセスが2段階で設定するように仕様が変更されたようです。新スピーカーを工場出荷状態に戻して再接続するときに判明しました。やれやれ。