2026年07月03日 16時02分
AI

Anthropicはアメリカ国防総省とAI利用に関する契約を結んでいましたが、2026年2月28日に国防総省およびアメリカ政府がAnthropicとの関係断絶を決定しました。この国防総省の決定を巡ってAnthropicは訴訟を提起しており、裁判で提出された資料からダリオ・アモデイCEOと国防総省の技術責任者であるエミル・マイケル氏のメール内容が明らかになっています。
Read the Tense Emails Between the Pentagon (Former Uber Exec) and Anthropic (Dario Amodei)
https://gizmodo.com/read-the-tense-emails-between-the-pentagon-former-uber-exec-and-anthropic-dario-amodei-2000780849
Anthropic Vs Pentagon Emails : Free Download, Borrow, and Streaming : Internet Archive
https://archive.org/details/anthropic-vs-pentagon-emails/
Anthropicは国防総省に対してAIシステムを提供していましたが、AIを「大規模な国内監視」および「完全自律型兵器」に用いることを制限していました。ピート・ヘグセス国防長官はAnthropicに対して制限の解除を強く求めていましたが、アモデイCEOは要求を拒否。その結果、2026年2月28日にドナルド・トランプ大統領が「Anthropicの左翼狂信者たちが戦争省(国防総省)を強引に操作し、憲法ではなくAnthropicの利用規約に従わせようとした」とTrue Socialに投稿し、すべての政府機関に対してAnthropicの製品の利用停止を指示。さらにヘグセス国防長官もAnthropicを「国家安全保障に対するサプライチェーンリスク」に指定し、契約の終了を宣言しました。
トランプ大統領が「Anthropicの左翼狂信者がアメリカ軍の制御を試みた」と主張し関係断絶を指示、ヘグセス国防長官はAnthropicを「サプライチェーンリスク」に指定へ – GIGAZINE

Anthropicは「サプライチェーンリスクへの指定には法的正当性がない」と主張し、国防総省に対して指定の撤廃を求める訴訟を起こしています。
Anthropicがアメリカ国防総省を提訴、OpenAIとGoogleの従業員はAnthropicの支持を表明 – GIGAZINE

Anthropicと国防総省を巡る訴訟に関連して、裁判所に提出された資料が2026年6月30日に公開されました。資料にはアモデイCEOと国防総省の技術責任者であるエミル・マイケル氏のメールでのやり取りが含まれており、Anthropicと国防総省の関係悪化の経緯が読み取れます。
公開されたメールの一部が以下。2025年12月4日にアモデイCEOがマイケル氏に「Anthropicの最大の懸念はアメリカ国内おける『大規模な国内監視』および『完全自律型兵器システム』にある」とする意見を送付していることが分かります。

その後、2026年1月14日にマイケル氏が「前回の連絡から約3週間が経過した。Anthropicの見解の変化について大まかに教えて欲しい」と送信。この時点でマイケル氏はAnthropicの姿勢の変化を期待していたことが分かります。

しかし、翌日の2026年1月15日にダリオ氏は国内監視につながる利用の制限を繰り返し主張し、Anthropicの姿勢が変化していないことを示しました。

マイケル氏の2026年2月4日のメールには「Anthropicが自社の技術がどのように使用されるか区別しようとする試みは無駄だ」「我々の世界では、防御用兵器と攻撃用兵器の区別はない」「Anthropicには合意する最後のチャンスがある」と記されており、アモデイCEOに対して制限の撤廃を強く求めていることが分かります。

その後もアモデイCEOは「大規模な国内監視」および「完全自律型兵器」の制限に関する姿勢を崩さず、最終的に2026年2月28日の関係断絶に至ったというわけです。
なお、Anthropicとアメリカ政府を巡っては、日本時間の2026年6月13日に「アメリカ政府の国家安全保障当局による指示」を理由にClaude Mythos 5とClaude Fable 5のサービスが停止されるという事態も発生していましたが、商務省による規制の解除を受けて現地時間の2026年7月1日にサービスが再開しています。
アメリカ政府がClaude Fable 5とClaude Mythos 5の規制を解除 – GIGAZINE
