米Microsoftおよび米Anthropicは6月29日(現地時間)、「Claude in Microsoft Foundry」の一般提供(GA)を発表した。すでに「Microsoft Foundry」でAIモデルを利用している企業であれば、使い慣れた「Azure」の認証・課金・ガバナンス管理をそのままに、Anthropicの「Claude」モデルを利用できる。
「Microsoft Foundry」は、AIアプリやエージェントの構築から評価、デプロイ、運用までを支援するAIプラットフォーム。「Claude in Microsoft Foundry」は、Anthropicの「Claude」モデルを「Azure」クラウドにデプロイ(配置)して利用できるようにするものだ。
なお、「Claude in Microsoft Foundry」には2種類ある点には注意。
・バージョン1:Anthropicインフラ上でホスト(Hosted on Anthropic、旧称:Foundry Preview)。バージョン2でまだ提供されていないモデルも利用できるが、「Azure」統合は限定的
・バージョン2:Azure上でホスト(Hosted on Azure)。「Microsoft Foundry」の既定で、「Azure」統合のメリット(下記)が得られる。今回一般提供が開始されたのはこちら
本命は「バージョン2」(Hosted on Azure)で、これは2025年11月にMicrosoft、NVIDIA、Anthropicの3社が発表した戦略的パートナーシップに基づくものだ。「Claude」モデルはNVIDIAの「Blackwell Ultra」(GB300)システム上で稼働する。
この場合、「Claude」モデルの推論処理は「Azure」データセンター内で行われるが、その運用(稼働率保証を含む)はAnthropicが担当する。データレジデンシー(保存場所)の要件がある組織のために、データゾーンを選択(グローバルと米国)する機能が提供されるほか、機密性の高いワークロード向けとして、APIコールの完了後にプロンプトや出力をAnthropicが保持しない「ゼロデータリテンション(ZDR)」も用意される。
「Claude」を「Microsoft Foundry」で利用するメリットは、認証に「Entra ID」(旧:Azure Active Directory)、アクセス管理に「Azure」のロールベースアクセス制御(RBAC)といった基盤を活用できること。請求も一本化され、「Microsoft Enterprise Agreement」を契約している対象顧客であれば、「Claude」の利用分を「Azure」のコミットメント(確約利用量。事前契約で割引価格が適用される)から消化することも可能だ。
モデルはAnthropic標準の「Messages API」を介して提供され、プロンプトキャッシュや拡張思考(extended thinking)、ツールストリーミングといった中核機能も利用できる。発表時点の対応モデルは「Claude Opus 4.8」と「Claude Haiku 4.5」の2種類だが、Microsoftのドキュメントによると、発表されたばかりの「Sonnet 5」もすでに「バージョン2」で一般提供されているようだ。提供が再開された最新鋭モデル「Fable 5」も、「バージョン1」でプレビューとして利用可能。いずれ「バージョン2」でも提供されるだろう。
窓の杜,樽井 秀人