AIに淘汰される「まとめ記事」──エキスパート・トピ的キュレーションの絶望的な未来 #エキスパートトピ(松谷創一郎) – エキスパート – Yahoo!ニュース

 検索すればAIが要約を返し、記事を開く必要はない――。

 グーグルの「AIによる概要」やAIモードの遍在は、ニュースサイトへの流入を世界規模で激減させつつある。

 既存のテクストを選別し束ねるキュレーション、すなわち「まとめ記事」は、いまや生成AIがもっとも卓越して遂行する労働へ反転した。この『Yahoo!ニュース・エキスパート』の「エキスパート・トピ」もまた、抽出と要約を旨とする形式にほかならない。

 あえて言えば、この営為は静かにAIに代替される。書き手に残余するものの所在を、当事者の審級から問い直す。

ココがポイント

AIが直接回答を示すことで、ニュースサイトの生命線だったトラフィックが激減出典:小久保重信 2025/8/10(日)

Google検索から大手のニュースサイトへアクセスする人の数が2025年までの3年間で激減出典:GIGAZINE 2025/6/11(水)

約44%が「GoogleでWebサイトを探す」という行為から、「AIに答えを聞く」という行為へシフトし始めている出典:デジマ部 2025/12/9(火)

人力の「エキスパート・トピ」というまとめ企画に力を入れているが、これなどは早晩AIによって淘汰される典型だ出典:松谷創一郎 2026/4/9(木)

エキスパートの補足・見解

 この「エキスパート・トピ」は、専門家が他者のテクストを選別し、短い引用と見解を添えて束ねる形式である。だが醒めた眼で捉えれば、それは情報の整序と要約という操作に還元される。そしてこの操作こそ、生成AIがもっとも廉価に、迅速に、大量に遂行しうる領域だ。グーグルの「AIによる概要」とは、検索エンジンそれ自体が巨大な集約装置へと転じたことを示す。人間が抽出し要約することの価値は、急速に逓減しつつある。

 ここで看過しえないのは、この形式がオーサーを「束ねる者」の地位へと格下げしている点だ。取材よりも引用を、一次情報よりも反応の即時性を駆動するこの装置が産むものは、もはやAIの出力と判別しがたい。そしていずれは淘汰の対象となる。

 器たるメディアが交替しても、財としてのコンテンツは残存する。中長期的に存続するのは、現場へと身を運び、図書館や論文で精緻に調査し、みずから問いを措定し、固有の視座と責任において記述された記事である。すなわち、AIの参照源たりうるものこそが価値を帯びる時代が到来する。

 むろん、本稿もまたひとつの「まとめ記事」にほかならない。これは絶望的な未来へと驀進する加速主義的行為である。