OpenAIが ChatGPT 広告の管理画面を英国へ拡大。CPC導入で需要急増の訳 | DIGIDAY[日本版]

記事のポイント

OpenAIは広告管理画面を米国公開から6週間で英国へ拡大し、セルフサービス型広告事業のグローバル展開を加速させている。

英国ではCPMに加えてCPC課金も利用可能となり、今後は成果ベースの最適化機能も拡充することで広告主の利用ハードルを下げようとしている。

カンヌライオンズを前に機能と展開地域を拡充したことで、OpenAIは広告プラットフォームとして成熟度をアピールし、本格的な広告ビジネスへの移行を鮮明にした。

OpenAIは、自社の広告管理画面を米国で広く一般公開してからわずか6週間後、今度は同プロダクトをベータ版として英国に拡大した。

この動きにより、英国は米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドに続き、同社のセルフサービス型プラットフォームへのアクセス権を持つ5番目の市場となった。その仕組みは米国と同様であり、承認されたカテゴリーに属し、かつ広告ポリシーの審査を通過した広告主であれば、広く一般的に利用可能である。

ブラジル、日本、韓国、メキシコと並んで英国がパイロット版に追加されたのはわずか6週間前のことであるにもかかわらず、英国の広告主はすでにポータルサイト上で、登録、支払い情報の追加、予算や入札、ペーシング(配信ペース)の設定、広告のアップロード、キャンペーンの立ち上げと管理、そしてパフォーマンスの確認を行うことができる。

エンダーズ・アナリシス(Enders Analysis)のシニアリサーチアナリストであるクレア・ホラボウスキー氏は、英国でセルフサービス機能を利用可能にすることはOpenAIの広告需要を急速に拡大させるだろうと見ている。しかし一方で、英国のより制限的な規制環境を考慮すると、需要の成長に合わせて供給を拡大していくことは、より大きな課題になるだろうと指摘する。

「この動きは短期的には価格設定を補強するものとなるだろうが、最終的なパフォーマンスは、同社が自社のプロダクトや効果計測においてどれだけの信頼を確立できるかにかかっている。米国と同じロードマップをたどっていることは、同社の現在の最優先事項が、まずはインフラの規模を構築することにあり、モデルやフォーマットに関するより厄介な問題の解決はあと回しにされていることを浮き彫りにしている」と同氏は語る。

定石どおりの価格モデル拡充と、激化するプラットフォーム競争

さらに、英国の広告主は、ローンチ時から利用可能であったCPMベースのモデルに加えて、CPCでのバイイングにもすでにアクセスできるようになっている。そして、OpenAIのブログ投稿では、広告主がもっとも重視する成果に向けて入札や最適化を行えるよう、「より多くの方法をサポートしていく」見とおしであることが述べられている。

OpenAIがこれほど迅速に広告管理画面とさらなる機能を英国へと拡大することを選択したのは、決して驚くべきことではない。

アドセナ(Adthena)のCMOであるアシュリー・フレッチャー氏は以前、Digidayに対して、彼の英国のクライアントからのChatGPT広告に対する需要はすでに高かったと語っていた。

セルフサービス型のプラットフォームは、OpenAIが営業チームやサポートチームを同じペースで増強することなく、その旺盛な需要を満たすことを可能にする。同時に、これまでは営業担当者を介したマネージドサービスの関係から予算的に締め出されていた可能性のある、より小規模な広告主に対してもその門戸を開くことになるのだ。

現時点において、過去4カ月間で急速に拡大してきたChatGPT広告のパイロット版のなかで、米国は依然としてもっとも発展した市場であり続けている。当初は単一のCPM買い付けの選択肢からスタートしたものが、その後はCPCやCPAを含むまでに拡大し、これらすべてがセルフサービス型の広告管理画面で利用可能になっている。

カンヌ前夜の電撃発表

また、このタイミングについても特筆すべきものがある。

今回の英国への進出とCPC機能の追加は、世界最大級の広告祭であるカンヌライオンズ(Cannes Lions)の開幕のわずか数日前に行われた。

カンヌでは、OpenAIのグローバル広告責任者であるデイブ・デューガン氏が、非公開の場で広告代理店、ブランド企業、そしてアドテックパートナーと面談する予定であるとみられている。地理的な展開エリアを広げ、さらに追加のバイイング機能を整えたことで、同社は南仏のコート・ダジュール(フレンチ・リヴィエラ)で開催される業界最大の集まりにおいて、より成熟したサービスを武器にピッチを行うことができる。

[原文:OpenAI expands ads manager to U.K., adds CPC]

Krystal Scanlon(翻訳・編集:杉本結美)