Anthropic、「Claude Fable 5」の規制解除に向け政権との交渉役を交代 | WIRED.jp

トランプ政権は最近、Anthropicの人工知能(AI)モデルに対する輸出規制の解除を巡り、同社との協議を以前より円滑に進めているという。この問題に詳しい関係者によると、その理由は最新版AIモデル「Claude Fable 5」の再公開を巡る協議に、最高経営責任者(CEO)のダリオ・アモデイではなく、共同創業者のトム・ブラウンが交渉役を務めるようになったことがある。

「トム・ブラウンはダリオ・アモデイのように扱いづらくなく、きちんと話ができます」と、協議に直接かかわる関係者は語った。

実際ここ数日、政権はAnthropicと複数回にわたり協議を重ねている。関係者によると、ブラウンと広報・政策責任者のサラ・ヘックが交渉の前面に立ったことが、協議を後押ししているという。関係者らは、アモデイは政権側の懸念に耳を傾けようとせず、協議もかみ合わなかったと話している。

ただし、米政権は依然として輸出規制を解除していない。この規制により、Anthropicの最も高性能なAIモデルは、6月12日(米国時間)以降、提供できない状態となっている。背景には、米国家安全保障局が、ガードレールを回避すれば、利用制限中の「Mythos」モデルの高度な能力を実質的に利用できることを確認したことがある。

協議は幹部レベルだけでなく、双方の技術担当者を交えた実務レベルでも行なわれている。関係者によると、一部の協議では、Claude Fable 5のジェイルブレイクに対する政権側の懸念を払拭するには、Anthropicがどの程度の証拠を示せば、政権側の懸念を払拭できるのかが議題となっている。

US版『WIRED』が以前報じたように、この問題は両者の考え方の隔たりにも起因している。独立系のサイバーセキュリティ専門家のあいだでは近年、AIモデルのガードレールはあくまで一時的な対策にすぎず、高度な技術をもつ利用者や将来のAIモデルはいずれ制約を回避する手段を見つけるとの見方が強まっている。

ホワイトハウスの報道担当者はコメントを控えた。Anthropicの広報担当者からはコメント要請に対する回答は得られなかった。

AnthropicがClaude Fable 5を再び提供できる時期は依然として不透明だ。ただし、輸出規制の解除に向けてAnthropicに何が求められるのかは、数日以内により明らかになる可能性がある。

焦点は輸出規制解除の条件へ

6月18日には、超党派の議員グループが、Anthropicを巡る今後の対応について質問を記した書簡を、商務長官のハワード・ラトニックに送付した。商務省産業安全保障局が輸出規制を所管しているため、ラトニックはジェイルブレイクのリスク対応で中心的な役割を担っている。

書簡では、モデルの再公開に向けた判断基準や時期について、次のように質問している。「今回の決定を見直し、モデルの一般公開を再開するかどうかを判断する際、商務省はどのような具体的な基準に基づくのか。その判断は、いつ下される予定なのか」

この書簡には、サム・リカルド、ジェイ・オバーノルテ、スコット・フランクリン、テッド・リュウの4人の下院議員が署名し、6月26日までの回答を要請した。商務省の報道担当者は、期限までに回答するかどうかについてコメントを控えた。

(Originally published on wired.com, translated by Miki Anzai, edited by Mamiko Nakano)

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