【米イラン合意の真相】イランはホルムズ海峡「通航料」を徴収するのか?日本の原油調達に残る火種 【JBpressナナメから聞く】前駐イラク特命全権大使、一橋大学国際・公共政策大学院教授、松本太氏に聞く(後編)(1/3) | JBpress (ジェイビープレス)

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【JBpressナナメから聞く】前駐イラク特命全権大使、一橋大学国際・公共政策大学院教授、松本太氏に聞く(後編)

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 米国とイランが戦闘終結に向けた覚書を交わし、ホルムズ海峡では船舶の通航が一部で再開しています。しかし、航行の正常化にはなお不透明さが残ります。機雷のリスクに加え、イランが将来的に海峡の「通航料」に相当する料金を求める可能性も浮上しています。

 日本の原油調達にも直結するホルムズ海峡をめぐり、米国はイランの主権的権利の主張をどこまで認めるのか。そしてイラン核問題の協議は進展するのか、中東情勢の行方はどうなるのか。

 JBpressのYouTube番組『ナナメから聞く』。前編に続き、前駐イラク特命全権大使を務め、現在は一橋大学国際・公共政策大学院教授の松本太氏に、JBpress編集長の細田孝宏が話を聞きました。

※詳しい内容は、JBpress公式YouTubeでご覧ください。(取材日:2026年6月23日)

(前編)【米国・イラン覚書】トランプ大統領には「名誉ある撤退」、文面上は「イランの勝ち」、つらいのはイスラエル

ホルムズ海峡は正常化に向かう?

——世界経済に大きな影響を与えるホルムズ海峡ですが、覚書を経て、今後は航行が広がっていくと見ていいのでしょうか。

松本太(前駐イラク特命全権大使・一橋大学国際・公共政策大学院教授、以下敬称略):ホルムズ海峡では、実際に船が通り始めています。覚書署名後の数日間で、通過する船は増えています。ただし、イスラエルがレバノンを攻撃したことに反発し、イランが再封鎖を示唆した直後に通行量が減るなど、状況はなお不安定です。

ホルムズ海峡は戦争前の状態に戻るのか(写真:ロイター/アフロ)

 重要なのは、数だけではありません。実際どこの国の船が通過したのかを見ると、多くはイラン関係船舶と中国関係船舶です。欧米の大手海運会社はほとんど通っていません(6月23日時点)。つまり、覚書合意以降で最もメリットを得たのは、イランと、イランと取引している中国だと言えるわけです。

——欧米や日本の船舶会社は、まだ慎重に見ている面もありますか。

松本:そうですね。政治的な合意ができただけで、すぐに船を通過させるわけにはいきません。保険料の問題もありますし、銀行がどう判断するかという問題もあります。いまだ相当数の船は、ペルシャ湾内にとどまっているようです。

——覚書には、機雷を30日以内に除去するという趣旨の記述もあります。機雷の状況はどうなっているのでしょうか。

松本:ここははっきりしません。仮にイランが本当に機雷を敷設しているのであれば、30日以内に回収できるのかも微妙です。各国の掃海艇がすぐ現地に向かう状況にもなっていません。日本の船舶会社も含めて、「実際どうなっているのか」という不安はあると思います。