「最古の霊長類」の新たな化石を発見、6550万年前 繁栄の謎に光 | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト

プルガトリウスの復元図。研究者らは最近、米コロラド州でこの古代霊長類の歯を発見した。これまでに見つかった化石の中では最南端の発見例となる。(Andrey Atuchin)

プルガトリウスの復元図。研究者らは最近、米コロラド州でこの古代霊長類の歯を発見した。これまでに見つかった化石の中では最南端の発見例となる。(Andrey Atuchin)

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 2025年、米コロラド州コロラドスプリングスの近郊で、6550万~6540万年前のプルガトリウス(Purgatorius)と呼ばれる動物のごく小さな歯の化石が3本見つかった。小惑星の衝突によって非鳥類型恐竜が絶滅したおよそ55万~65万年後だ。プルガトリウスの化石では最南端の産出地であり、恐竜時代後の世界で初期の霊長類がどのように進化し繁栄していったかを探る上で興味深い手がかりとなる。論文は2026年3月2日付けで学術誌「Journal of Vertebrate Paleontology」に発表された。

 プルガトリウスはツパイに似た小型の動物で、多くの研究者は世界最古の霊長類とみなしている。複数の歯を調べた過去の研究や、2012年に報告された希少な足首の骨の研究によると、プルガトリウスは果物を食べ、木に登り、リスのように頭の横に目がついていたとされる。(参考記事:「最古の霊長類はネズミ大で樹上性」)

 今回の発見はプルガトリウスの生態を示す手がかりとなるが、生息地や移動の実態についてはまだよくわかっていない。プルガトリウスの体はとても小さく、のみやこてを使う従来の発掘方法では化石を見つけるのが難しいからだ。(参考記事:「【動画】唐辛子を食べまくるツパイ、なぜ平気?」)

「プルガトリウスは手のひらにのるくらいの大きさです」と、論文の筆頭著者で、米ニューヨーク市立大学ブルックリン校の古生物学者スティーブン・チェスター氏は説明する。氏はプルガトリウスの足関節の骨を発見した人物でもある。

「歯のサイズは縦横2ミリほどなので、肉眼で見つけられる可能性は極めて低いのです」

特製の選別装置で極小の歯を発見

 そんな小さな歯をどうやって見つけるのか。論文の最終著者で、米デンバー自然科学博物館の古生物学者でもあるタイラー・ライソン氏が使ったのは「バブラー」と呼ばれる特製の選別装置だ。

 この装置は、圧縮空気を大型の水槽に送り込み、気泡の流れで堆積物をほぐし、骨片をふるい状のスクリーンに引っかけて回収する仕組みになっている。数トンもの土を処理した末に、ライソン氏のチームはごく小さな歯を計3本回収した。

「このちっちゃな歯3本を見つけるために、約3.6トンもの泥を洗い出しました」と、ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラー(探究者)のライソン氏は話す。「それはもう大がかりな作業でした」

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