フィリピン・マニラ(2026年6月18日)— アジア・太平洋地域の各国政府が急速な技術革新への対応を急ぐ中、アジア開発銀行(ADB)は、新たなデジタル戦略を通じて、人工知能(AI)やデジタル技術の活用を促進するとともに、リスクにさらされる人々の保護を図る取り組みを進めている。
神田眞人ADB総裁は、「アジア・太平洋地域に技術の波が押し寄せている」とした上で、「我々は、さらなる繁栄を実現すべくその波に乗ることも出来るし、逆にその波に飲み込まれてしまうこともあり得る。ADBは、地域のデジタルインフラ、連結性、アクセスの拡大を目的とする200億ドル規模の『アジア太平洋デジタル・ハイウェイ』を通じた取り組みを含め、こうした歴史的変化を、最も支援を必要とする人々の利益につなげるべく活用している」と述べた。
ADBの新たなデジタル変革戦略は、2026年から2030年にかけての当行のこうした取組の指針となる。「開発のためのデジタル変革:包摂性・安全性・イノベーションの推進」と題する本戦略の下、ADBは、各国がデジタル面での連結性の拡大、人材育成、サイバーセキュリティおよびプライバシー保護の強化、データ・ガバナンスの改善、さらにAIの責任ある活用を推進できるよう支援していく。
新たな戦略の下での支援には、より強靭なデジタルインフラの整備、より安全で相互運用可能なシステムの構築、そしてデジタル技術の恩恵を十分に受けていないコミュニティへの便益を図るための施策が含まれる。ADBは、デジタル面での態勢や対応力における課題を特定するため各国と連携し、それぞれのニーズに即した投資や改革を推進する。
ADBはまた、政府、企業、開発パートナーを結集し、資金動員の促進、専門知識の共有、実践的なデジタル・ソリューションへのアクセス拡大に取り組む。本戦略は、アジア・太平洋地域における、経済的競争力、公共サービス、雇用創出、強靭性、そして社会的包摂の各分野でのデジタル技術やAIの役割の一層高まりに対応するものである。
ADBは、アジア・太平洋地域の持続可能でインクルーシブかつ強靭な成長の促進に向けて取り組む主要な国際開発金融機関である。ADBは、加盟国・地域やパートナーと緊密に連携し、複雑な課題に対応するために革新的な金融手段を駆使し、戦略的パートナーシップを通じて地域の人々の生活向上や質の高いインフラ整備を進めるとともに、地球環境の保護にも貢献している。ADBは1966年に創立され、50の域内加盟国・地域を含め69の加盟国・地域によって構成されている。