イランに広範な経済的利益か、米との合意案−原油販売は即時可能に(TBS CROSS DIG with Bloomberg)|dメニューニュース(NTTドコモ)

イランに広範な経済的利益か、米との合意案−原油販売は即時可能に

イランに広範な経済的利益か、米との合意案−原油販売は即時可能に

(ブルームバーグ):イランは米国との和平合意の一環として、原油販売の即時再開や3000億ドル(約48兆1350億円)規模の開発基金の活用、さらに凍結資産への将来的なアクセスなど、幅広い経済的恩恵を受ける見通しだ。最終案に近い合意文書の草案をブルームバーグが確認した。

覚書の概要は数日前から出回っていたが、今回確認した草案は、ホルムズ海峡の封鎖解除と核兵器を開発しないと改めて確約する見返りとして、イランが受け取る経済支援の内容をこれまでで最も包括的に示している。

全文を読む:米国とイランの覚書草案、14項目の全文−ブルームバーグが入手

両国は19日にスイスで正式に合意文書に署名する予定で、その後60日間の協議を通じて戦争の恒久的な終結を目指すとともに、イランの核開発計画に対する新たな厳しい制限を導入する道筋を整える。合意文書は正式に公表されていないが、事情に詳しい関係者によると、米国はフランスで開催されている主要7カ国(G7)首脳会議で同盟国に文書を配布し始めている。

匿名を条件に語った別の関係者によると、詳細について実務レベルでの調整が続いており、文言が今後変更される可能性がある。

合意の条件では、米財務省は覚書の署名直後に、イラン産の原油や石油化学製品、および派生品の輸出に関する免除措置を発令する。米国は海上封鎖を解除し、両国はホルムズ海峡の通航量を30日以内に戦争前の水準に戻すため協力する。

ホルムズ海峡を進む貨物船(4月28日)

米当局者の間では、合意文書がいつ正式に公表されるのかについて説明が食い違っている。トランプ大統領は署名式がある19日以降に公表すると述べた一方、米政府高官は数日以内の公表もあり得ると15日に語っていた。

スイス外務省によると、署名式はルツェルン湖を見下ろす山岳リゾート、ビュルゲンシュトックで行われる予定だ。米国代表団はバンス副大統領が率いる見通しで、イラン側はガリバフ国会議長が代表を務める可能性が高い。

原油価格は、トランプ氏が先週後半に合意が近いと発言して以降、大幅に下落している。ホルムズ海峡再開による供給増加への期待から、北海ブレント先物は4営業日で15%下落して1バレル=80ドルを下回り、今年最長の下落局面となった。

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覚書の草案によると、米国と地域のパートナー国は、イランの復興と経済発展を支援するため、少なくとも3000億ドル規模の資金を伴う計画を策定する。一方、イランの凍結資産の解除については詳細が曖昧で、米国はそれらの資金が「解除され、全面的に利用可能になる」ことを保証するが、時期は示していない。

米政府当局者はコメントの要請に対して、草案の詳細については言及を避けたが、イランが合意による恩恵を受けられるのは約束を履行した場合に限られると述べた。その条件には、核兵器を決して保有しないこと、濃縮核物質を無力化すること、ホルムズ海峡での自由な航行を認めることが含まれる。

トランプ氏はこれに先立ち、米国がイランに3000億ドルを支払うとの見方を否定していた。草案では、米国とパートナー国が同額の資金確保を確実にするとしているだけだ。

トランプ氏はG7サミットで、この合意は核兵器開発を阻止する「成立済みの取引」だと述べた。また、米国は戦争賠償金を支払わず、イランに投資もしないと付け加えた。

イランへの譲歩に懸念も

今回の合意は、トランプ氏にとって政治的なリスクを伴う可能性がある。同氏は長年、オバマ政権とイランが2015年に結んだ核合意について、イランに巨額の利益を与えると主張。2018年に核合意を破棄し、より良い条件との合意を実現すると表明していた。

トランプ氏が戦争終結を模索する中、共和党内の対イラン強硬派などからは、十分な見返りを得ないままイランに過度な経済的利益を与えることになるとの懸念が上がっている。

イランへの原油販売適用除外の可能性について、ヘイリー元国連大使はX(旧ツイッター)に「これが事実なら、勝者はイランだ」と投稿。「初日に制裁緩和があってはならない」と主張した。

和平合意の実現にはなお課題も残る。草案では、戦争は「レバノンを含む全ての戦線で」終結するとされている。しかし、その実現にはイスラエルのネタニヤフ首相の同意が必要となる。同首相はこれまで、イスラエル北部国境付近で続く親イラン派武装組織ヒズボラとの戦闘終結を拒んできた。

合意条件によると、米国はイランに対する制裁解除も約束する。ただし、それは今後2カ月間で交渉される最終合意の一環として実施されるもので、両国の戦争を恒久的に終結させることが前提となる。さらに米国は、最終合意への署名から30日以内に、「周辺地域から」軍部隊を撤収させることも約束する。

事情に詳しい関係者によると、米国側の理解では、原油販売に関する措置は、すでに船積みされたイラン産原油に限って適用されるものであり、イランによる原油輸出全般の再開を認めるものではない。

今回の合意は、イランに対し核兵器を決して追求しないことを求める一方で、即時および将来的な経済的利益を組み合わせて提示している。イランはかねて核兵器保有の意思を否定しており、オバマ政権時代の包括的共同行動計画(JCPOA)でも核兵器を追求しないと約束していた。

ブルームバーグが確認した草案では、イランが保有する濃縮ウラン備蓄の状況について直接言及していない。濃縮ウランの扱いについては、その他の全ての核問題とともに、「最終合意で適切に対処される」と記されているだけだ。

原題:US Set to Offer Iran Broad Financial Gains in Peace Deal (3)(抜粋)

(署名式の詳細やトランプ氏のコメントなどを加えて更新します)

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