2026年06月17日 13時12分
AI

AIを活用したコーディングアシスタント「Claude Code」を使用しているのは誰で、何のために使用しているのか、タスクの価値がどのように変化しているのか、専門知識はコーディングにどれくらい生きているのか、といった分析結果をAnthropicが公開しています。
Agentic coding and persistent returns to expertise \ Anthropic
https://www.anthropic.com/research/claude-code-expertise
Our latest economic research introduces a framework for tracking Claude Code as it scales.
Who is using Claude Code, and what are they using it for? How is the value of tasks changing? And how much does domain expertise shape whether a session succeeds?https://t.co/IjjwQvrESo
— Anthropic (@AnthropicAI) 2026年6月16日
Anthropicによるとエージェントによるコーディングは急速に普及しており、コーディングエージェントが貢献しているGitHubプロジェクトの割合は2025年後半から2026年前半で2倍以上に増加しているそうです。Claude Codeユーザーは2026年6月時点で平均して週20時間をClaude Codeに費やしています。
Anthropicは実際の言語モデルの使用状況をプライバシーを保護しながら分析できる自動分析ツール「Clio」を用いて、2025年10月から2026年4月までの約23万5000人のユーザーによる約40万件のClaude Codeセッションを解析しました。
まずClaude Codeはどのような人物が使用しているかという分析では、約70%のセッションで職業を推測することに成功し、ソフトウェア関連の職種のほとんどを網羅する「コンピュータおよび数学関連職」が予想通り最大のグループとなっていたとAnthropicは述べています。次に大きいのは「ビジネスおよび金融業務」であり、「芸術、デザイン、メディア」「経営」「生命科学・物理科学・社会科学」と続きます。分析した中で最も急速に成長している非ソフトウェア関連職種は、経営・営業・法律関連の職種でした。
以下は、人々がClaude Codeを何に利用しているかを示したグラフ。26%がコードの修正、25%がコードの記述と、半数以上がコーディングに関するタスクでした。その他に多いのはソフトウェアの操作が17%、ドキュメントやプレゼンテーションの執筆が10%となっています。

また以下の画像左は、Claude Codeを用いた作業内容を時期ごとに示したグラフ。最も顕著な変化として、コードの修正の割合は2025年10月の33%から2026年4月には19%まで下がっています。一方で、ソフトウェアの操作、データの分析、ドキュメントの作成は増加しています。また画像右は各セッションの経済的価値の変化を示したグラフで、平均的なセッションの推定価値は2025年10月から2026年4月の間に27%上昇しています。

AIが急速に発展して高度なコーディング能力を発揮する中で、AIに代替されない重要な能力は「コードが実際に正しく動作するか判断できる専門知識」であるという意見がしばしば主張されます。Anthropicは実際に、各トランスクリプトからユーザーがClaude Codeに与えたタスクに関してどれくらい専門知識を持っているかについて、「ユーザーが何を確認するよう求めているか」「ユーザーがClaude Codeを訂正する傾向があるか」「Claude Codeがユーザーを訂正する傾向があるか」という3つのシグナルを用いて判定し、ユーザーの知識レベルを初心者から熟練者までの5段階に分けて分析しました。
以下は、ユーザーの専門知識レベルを5段階に分け、レベルごとにClaude Codeのセッションがどのように変化するか示したグラフ。典型的な初心者セッション(レベル1)ではプロンプトごとに約5つのアクションと約600語の出力が発生。一方で熟練者セッション(レベル5)では2倍多くのアクションが発生し、出力は5倍の約3200語となりました。つまり、熟練者ほどClaude Codeの自律的な活動を引き出せるというわけです。

また、Anthropicが設定する成功指標において、セッションで参加者が示す専門知識のレベルが高いほど、セッションが成功する可能性が高くなることも示されました。初心者セッションでは最も厳しい基準の「成功」は約15%、「部分的な成功」は77%だったのに対し、専門レベルが中級以上のセッションでは「成功」が28~33%、「部分的な成功」は91~92%と大きな差が見られています。加えて、部分的にすら成功しない「失敗」と検出されたセッションは初心者レベルだと19%、それ以外のユーザーでは5~7%だったことから、「経験の浅いユーザーほど、目的の結果を得るのに苦労すると諦めやすいということです。専門知識の価値の一部は、エージェントを正しい方向に導く能力にあるようです」とAnthropicは分析しました。
Anthropicはレポートを総合して「本レポートの結果は、エージェント型コーディングが特定の知識やスキルを増幅させる一方で、他の知識やスキルを代替する仕組みについて、新たな知見を示しています。コードを生成するセッションでは、主要な職業の成功率はソフトウェア関連職業の成功率とほぼ同水準でした。コーディングエージェントの登場により、プログラミングの成功においてコーディングのバックグラウンドは以前ほど重要ではなくなってきているようです。そして、セッションが成功すると、業界の専門知識レベルがより顕著に影響します。ソフトウェア関連職以外のユーザーによるコーディングセッションの成功率が増加し続ける場合、ソフトウェア開発が単一の職業の産物ではなく、あらゆる分野の日常業務の一部になりつつあることを示している可能性があります。こうした変化は、エージェントによるコーディングから誰がどれだけの恩恵を受けるかを変え、労働市場で最も価値あるものが何であるかにも影響を与えるでしょう」と結論付けています。
この記事のタイトルとURLをコピーする
・関連記事
AI時代に本当に価値があるのはプログラミング能力ではなく「業界知識」だという指摘 – GIGAZINE
「AIの登場で仕事がどう変化したのか?」を看護師・教師・科学者・ドライバーなど8人の労働者にインタビュー – GIGAZINE
Googleのエンジニアが語るAI支援コーディングの「70%問題」、AIが生産性を爆上げしたのになぜ製品は改善されない? – GIGAZINE
「AIが私のソフトウェアエンジニアとしてのキャリアを侵食しておりどうすればいいか分からない」という投稿が大きな反響を呼ぶ – GIGAZINE
「AIは実際のところ従業員の生産性を低下させている」という指摘 – GIGAZINE