AIブームに「絶対不可欠」な人材とは…メタが育成プログラムを開始 | Business Insider Japan

ミズーリ州インディペンデンスで進められている大規模AIデータセンターの建設現場。ミズーリ州インディペンデンスで進められている大規模AIデータセンターの建設現場。Charlie Riedel/Associated Pressメタは、データセンターの建設・運営を担う人材を育成する新たなプログラムに1億1500万ドル(約184億円)を投じる。データセンター建設ラッシュにより、電気工事士や光ファイバー技術者の不足が深刻化している。AIはソフトウェアで動く技術であっても、その基盤を築くには依然として膨大な数の人の力が欠かせない。

AI時代の新たなキャリアは、ノートパソコンではなく、建設現場のヘルメットから始まるかもしれない。

メタ(Meta)は2026年6月9日、AI分野での大規模な事業展開を支えるデータセンターの建設を進めるため、技能職への就職を短期間で後押しする約5週間のプログラムに1億1500万ドル(約184億円)を投じると発表した。

メタ、人員削減の理由を率直に説明…浮いた資金はAI投資に回す | Business Insider Japan

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「アメリカズ・ワークフォース・アカデミー(America’s Workforce Academy)」と名付けられたこの無料プログラムは、参加者が技能を学ぶ期間中の支援を行い、修了者全員に仕事を保証する取り組みであるとメタは説明している。同プログラムは2026年中にルイジアナ州、オハイオ州、インディアナ州、テキサス州で開始される予定だという。

事前の経験は必要ない。メタによると、修了者全員が電気工事や機械設備、配管などの分野で業界標準として認められている資格を取得してプログラムを修了するという。

今回の取り組みは、メタが2026年4月に発表した、2026年夏に開始予定の新人向け光ファイバー技術者育成プログラムに続くものだ。メタによると、「レベルアップ(Level-Up)」と名付けられたこのプログラムには、募集開始から最初の7日間で3万5000件の応募が集まったという。

メタが打ち出したこの新たな人材育成の取り組みは、AIブームによって、その基盤となるインフラを建設・運用する人材の争奪戦が激化していることを浮き彫りにするものだ。テック企業がホワイトカラーの人員削減を進める一方で、電気工事士や光ファイバー技術者をはじめとするブルーカラー、つまり技能職の人材獲得競争はますます激しくなっている。

「AIによって人間の仕事が自動化されるという議論が盛んに行われているが、それでもAIは膨大な数の人間の労働力に支えられている」とEC大手、ストックエックス(StockX)の共同創業者で、リーダーシップコンサルタントでもあるクリス・カウフマン(Chris Kaufman)は語っている。

「将来はさらに自動化が進むかもしれない。しかし、データセンターを建設し、光ファイバーを敷設し、電力インフラを維持するのは、結局のところ人間だ」

ヘルメット姿の技能職に高まる需要

2025年には全米34州で176の新たなデータセンターの建設許可が発行されたとBusiness Insiderはすでに報じた。これは1976年に最初の建設許可が発行されて以来、年間としては過去最多だ。一方、業界団体のアソシエーテッド・ビルダーズ・アンド・コントラクターズ(Associated Builders and Contractors)が2026年1月に公表した予測によると、建設業界では需要に対応するため、2026年中に推計34万9000人の新たな労働力が必要とされている。

「多くのアメリカ人はジレンマに直面している。より高収入の仕事に就くには研修を受ける必要があるが、その研修を受けるために収入を絶やすわけにはいかない」と、アメリカの前商務長官ジーナ・レモンド(Gina Raimondo)はXに投稿した。レモンドは、メタの新たな人材育成プログラムについて、「有給の実習制度と、実際に募集されている質の高い仕事につながる資格取得を通じて、この問題の解決を目指すものだ」と説明している。

AI関連企業が求める人材は、データセンターを建設・運用する技能職だけではない。その施設の安全を守る人材への需要も高まっている。「物理的セキュリティ」と「データセンター」の両方に言及した求人件数は、2020年初めと比べて約4倍に増えていると以前、Business Insiderは報じている。