Microsoft、「Windows App SDK 2.2.0」をリリース
米Microsoftは6月10日(日本時間)、「Windows App SDK 2.2.0」をリリースした。「2.0」シリーズ安定版のサービシングリリース(保守・機能更新のためのアップデート)で、AIによる動画の高画質化APIなどが追加されている。
「Windows App SDK」(WinAppSDK)は、Windowsデスクトップアプリをターゲットとしたアプリ開発キット。モダンアプリ開発のためのUIパーツ「WinUI 3」、「Microsoft Edge」エンジンをアプリに組み込める「WebView2」などを含んでおり、開発プラットフォーム(C++/.NET、Win32、WinForms、WPF、UWP)を問わず「Fluent Design」に基づいたモダンなデスクトップアプリのUIを設計できる。
v2.2.0の目玉は、動画の超解像(Video Super Resolution)を行うAPI 「VideoScaler」(Microsoft.Windows.AI.Video) だ。ビデオ会議や配信、動画編集といった用途が想定されているようで、とくに会話する人物が映るビデオストリームで高度なアップスケーリングが行える。ネットワーク環境が悪くて画質が低下している状況でも、より鮮明なビジュアルをリアルタイムで得られるのが魅力だ。
出力解像度やフレームレート、対象領域(ROI)などを指定することも可能で、「BGR」「RGB」「NV12」など複数のフォーマットに対応する。
そのほかの主な変更は、以下の通り。
未パッケージアプリ向けの「ApplicationData」API:新しい「GetForUnpackaged()」メソッドにより、未パッケージ(unpackaged)アプリからも、これまでパッケージアプリだけが利用できたユーザー単位・マシン単位のアプリデータ領域へアクセスできるように。レジストリAPIによる回避策が不要になり、パッケージ/未パッケージ間の移行も容易になる「XamlBindingHelper」APIを拡充:オーバーヘッドを伴うボックス化(boxing:値型と参照型の変換プロセス)のないバインディング(UIにデータを紐づけて、データの変更を自動的にUIに反映させること)を実現。コンパイラーが内部的に用いるもので、パフォーマンスの底上げが期待できる信頼性の改善:「WinUI」や機械学習API「Windows ML」まわりの複数のクラッシュ・不具合を修正。「RenderTargetBitmap」や「ScrollView」などで発生し得たクラッシュが解消される
「Windows App SDK」は「Visual Studio 2022」(推奨)または「Visual Studio 2019」に含まれており、.NETデスクトップ開発、C++によるデスクトップ開発、ユニバーサル Windows プラットフォーム開発の各ワークロードで利用できる。すでに利用している場合は、パッケージ管理システム「NuGet」でアップデートが可能だ。「Windows App SDK」(WinUI 3)に含まれるUIコントロールやその使い方は、「WinUI 3 Gallery」アプリで参照できる。