OpenAIやアンソロピックをはじめとするAIハイパースケーラーがAIの高性能化にしのぎを削るなか、「SaaSの死」がバズワードのように業界では囁かれている。
【全画像をみる】「SaaSの死」に会計ソフトfreeeが逆張りして見えた、AIエージェント時代の「正解」【Code with Claude 2026】
AIエージェントが業務を肩代わりし、人間が画面を触らなくなれば、SaaS企業のサービスは表からは見えない、裏側の存在になる。それを揶揄して「土管化」と自嘲する企業もある。
「AIに食われるくらいなら、いっそのことAIネイティブ化に賭ける」
クラウド会計ソフトのベンチャー・freeeは、この賭けに2025年末という早い時期に取り組み、手応えのある実体験を積んだ企業の1つと言えるかもしれない。
freeeの共同創業者でCAIO(最高AI責任者)の横路隆氏は6月6日に都内で開かれたAI大手アンソロピックの開発者イベント「Code with Claude」のなかで、その賭けから学んだ「SaaSの死の先の世界」を参加者にシェアした。
freeeの「賭け」
横路氏が言う「賭け」とは、「Claude Code」などのAIコーディングツールを自社サービスに接続するための世界標準規格「MCP」サーバー※と、AIがfreeeを扱うためのマニュアルに相当する「スキル(Skills)」を開放したことだ。
※MCP:Model Context Protocolの略。
Claude Codeは今やプログラマーだけのものではなく、非エンジニア向けの「AI自動化の入り口」として機能しはじめている。
freeeの操作を「この作業やっておいて」というClaude Codeへの指示に変えることは、自社サービスを「人が使うもの」から「AIエージェントが使うもの」へ、根本から作り替えることを意味する。
事業も、顧客に届けるソリューションも、社内業務も、すべてをAIネイティブに作り替える布陣を敷いた、と横路氏は言う。
逆張りともいえるこの「早すぎる開放」は、ほかのSaaSがまだ見ていない景色、例えばAIに「freeeプロモーションしてもらう」という副産物的手法のヒントをノウハウ化できたという。