AI再編に揺れるメタ社員たち。レイオフを前に広がる不安と混乱 | WIRED.jp

メタ・プラットフォームズで20日(米国時間)に予定されている新たな大規模レイオフを前に、一部の従業員たちはオフィスから姿を消し、仕事どころではなくなり、近く失うかもしれない福利厚生を使い切ろうとしている。複数の関係者が『WIRED』に明かした。

ふたりの従業員によると、年間2,000ドル(約32万円)の自由に利用できる福利厚生制度を使い切ろうとする動きが社内で広がっているという。この制度は、健康やウェルネス関連を含むさまざまな費用に利用できる。

さらに別枠として、3年ごとに支給される200ドル(約3万2,000円)のオーディオ機器購入補助についても、アップルのAirPodsや各種ヘッドフォンを駆け込みで購入する従業員が相次いでいる。

別の関係者によると、今週のメタ社内は閑散としているという。多くの従業員が履歴書の更新作業を優先している。社外に集まり、これが最後になるかもしれない同僚との時間を過ごしている人たちもいる。

関係者によると、従業員たちはそれぞれ「身動きが取れない」「惰性で働いている」「パニック状態」といった状況に置かれているという。

業績好調でも進められるレイオフ

メタは今回、約8万人の従業員のおよそ10%を削減する計画だ。18日に社内向けに送付されたメモによると、対象となる従業員には、現地時間午前4時に個人用および社用メールアドレス宛てで通知が送られるという。

InstagramやWhatsApp、Facebookを保有するメタは、過去最高水準の利益を記録するなかで、今回の人員削減を進めようとしている。

だが、最高経営責任者(CEO)であるマーク・ザッカーバーグは、人工知能(AI)向けデータセンターへの投資資金を確保する必要があると主張している。また、人間の業務を補完するAI技術によって、従業員数を減らしても、メタは同じ成果を維持できるとの考えを示している。

メタは、この件に関するコメント要請にすぐには応じなかった。同社は2022年以降、すでに3度にわたる大規模レイオフを実施している。そのなかには、ザッカーバーグが「効率化の年(year of efficiency)」と位置づけて2023年に行なった人員削減も含まれている。

もっとも、今回の削減規模は過去の一部のレイオフほど大きくはない。それでも広く注目を集めているのは、AIが雇用に与える影響への不安が社会全体で高まるなかで実施されるためだ。

AI再編で揺れる社内

『WIRED』が話を聞いた現職および元従業員16人によると、差し迫った人員削減を巡って、メタ社内の士気はかつてないほど落ち込んでいるという。

従業員たちはまた、新たなAIチームへ「半ば強制的に異動」させられていることや、米国内従業員のノートPC利用状況を追跡し、AIモデルの学習に活用する監視ソフトウェアの導入にも不満を募らせている。

さらにメタは、大規模レイオフと並行して社内再編も進める計画だ。残る従業員7,000人をAI関連プロジェクトへ配置転換するほか、管理職の一部をプレイヤー職へ移行させるという。

ロイターは18日、解雇、あるいは新たな役職への配置転換を含めると、影響を受ける従業員は現在の全従業員のおよそ20%に達する見込みだと伝えた。『WIRED』も同様の情報を独自に確認している。もっとも、社内の一部部門については、今回の措置の影響を受けないと伝えられている。

ある従業員によると、ここ数日、解雇通知に身構える従業員たちのあいだでは失う前に利用しておくべき福利厚生のチェックリストが社内で共有されているという。また、人事評価の記録や給与明細といった書類を保存しておこうとする動きも広がっている。