巨大組織のコンプライアンスと感情論をごちゃ混ぜに、年齢を重ねるほど注意したい「自分の尺度での判断」
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増沢 隆太
東北大学特任教授、人事・経営コンサルタント
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2026.6.7(日)
時事・社会 スポーツ
辞任し、取材に応じるプロ野球巨人の阿部慎之助前監督=2026年5月26日、東京・大手町(写真:共同通信社)
13万署名vs.「復帰など論外」
巨人・阿部慎之助監督の家族への暴行容疑での逮捕劇は、一晩のうちに監督辞任へと一気に進む衝撃的展開となりました。さらに事態は動き、SNSやメディアでは阿部氏を擁護する声も出て、なんと即座に13万を超える「監督復帰・辞任反対」の署名が集まりました。
◎阿部慎之助の監督復帰を求めます(オンライン署名サイト「Change.org」より)
一方で、「復帰など論外」「行為そのものが許されない」とする厳しい反対論も根強くあり、ネット上でも両者は全く折り合うことがありません。
なぜ、これほどまでに賛否がくっきりと分かれているのでしょうか。その理由は、人々がこの事件に絡み合う「4つの異なるパラメーター(変数)」をごちゃ混ぜにし、自分に都合の悪い条件設定を無視して、自らの価値基準に合う断片的情報だけで、単純化して結論を導いているからではないでしょうか。
この4つのパラメーターを深掘りしてみると、ビジネスにおける経営判断、危機対応においても教訓にすべきものがあるということが見えてきます。
突如発生する危機状態は、事前に準備ができません。それゆえ情報が錯綜し、バラバラな情報を受け取った人によってバラバラな基準で意見が発せられます。確証バイアスなどと呼ばれる、自分に都合のよいことや思い込みにつながる情報ばかりを集め、それに反する情報を無視・軽視してしまう心理傾向とも考えられます。
阿部前監督への賛否を分けているパラメーターを4つにまとめてみます。