「不完全さ」や「人間らしさ」が価値になる時代

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NVIDIAのジェンスン・フアン最高経営責任者はシンガポールの報道機関によるインタビューでAI時代における教育や人間の価値について見解を示した。大学での専攻科目に執着するよりもAIを活用して自身の専門性を高める問い方が重要だと指摘している。また日本独自の美意識である「侘び寂び」に触れ、AIによる均質化が進む世界において人間の不完全さが新たな価値を持つと語った。

(Photo/Shutterstock.com/jamesonwu1972)
AIを理由にした解雇は経営者の怠慢
フアン氏は台湾でシンガポールの放送局チャンネルニュースアジアのインタビューに応じ、AIの急速な発展に伴う教育や労働市場への影響について語った。労働市場におけるAIの影響について一部の企業経営者が人員削減の理由をAIの導入に結びつけている点に言及し、AIが実用化されて間もない時期のレイオフの理由としては「不合理であり怠慢な説明」であると批判した。
職務を構成する複数のタスクのうち一部はAIによって自動化されるものの結果として人間はより高度な判断や創造性を要する複雑な業務に集中できるようになるとしている。過去に登場したパーソナルコンピュータやインターネットといった技術革新と同様にAIも人間を怠惰にするのではなくより野心的に活動する環境を作り出すと結論づけた。

【図版付き記事はこちら】NVIDIA ジェンスン・ファンCEOが説く「AI時代の生存戦略、学びの変化」(図版:ビジネス+IT)
教育における専攻科目の重要性については大きく見方が変わると明言した。多くの保護者や学生がAIに代替されない安全な専攻科目を模索している現状に対して「何を学ぶか」は今後それほど重要ではなくなると述べている。これまで重要視されてきた創造性や判断力はAI時代においても引き続き中心的な役割を果たす。
AIに奪われない職業を追い求めるのではなく自らの情熱を傾ける分野において、AIを活用して自分の学習や技術を高められるかを自問する姿勢が不可欠になる。具体例としてジャーナリズムなどを挙げ優れた記者は質問を準備するだけでなく相手の反応に応じて思考を巡らせる人間固有の能力を持つと説明している。
AI時代、日本の「侘び寂び」こそが価値を持つ
またAIによって画一的で均質的なコンテンツが溢れる時代において、ファン氏は日本の美意識である「侘び寂び」こそが重要になると言及している。同氏はこの概念を「不完全さの中に宿る美」や「人間らしさの価値」を示すものとして取り上げている。
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