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外資コンサルの裏側
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PwCは直近で、Anthropicとの関係を拡大した多くの大手企業の一つだ。Matthias Balk/picture alliance via Getty ImagesPwCとAnthropicは、アライアンスパートナーシップの大幅な拡大を発表した。PwCの従業員は、クライアントがAIを中心に業務モデルを再設計する支援を行う際にClaudeを活用する。最近のある報告によると、AnthropicはビジネスにおけるAI導入でOpenAIを上回った。
アンソロピック(Anthropic)はClaudeを企業向けのデフォルトのAIツールにすることを目指しており、ビッグ4(4大会計事務所)の一角であるPwCは現在、その最大の普及経路の一つとなっている。
5月14日(現地時間)、PwCとアンソロピックはアライアンスの大幅な拡大を発表した。これは、大企業の基盤インフラにAIを組み込む取り組みを加速させるものだ。
拡大されたパートナーシップは3つの領域に重点を置く。クライアント向けのエージェント型AIツールの構築を支援するエンジニアリングチームへの協力、取引交渉(ディールメイキング)プロセス全体へのAI導入、そしてクライアントの基盤となる業務モデルのAIによる刷新だ。
PwCは米国内の3万人の従業員をClaude Codeで研修・認定し、同製品を36万4000人のグローバル従業員にも展開する予定だ。両社はまた、共同のCenter of Excellence(卓越センター)を設立する。
このパートナーシップはアンソロピックのAI技術とPwCの業界経験を組み合わせるものであり、組織が「探索段階から企業全体への影響へと、より自信を持って移行できる」と、PwC USのシニアパートナー兼CEOであるポール・グリッグス(Paul Griggs)はプレスリリースで述べた。
Claudeはすでに同社の社内AIアシスタント「ChatPwC」で利用可能であり、金融、サプライチェーン、ディールメイキングにおけるクライアント業務にも活用されている。
プレスリリースの中で、Anthropicの共同創業者兼CEOのダリオ・アモデイ(Dario Amodei)は、PwCのAIを活用したクライアント成果を称え、「10週間かかっていた保険の引受業務が10日で完了するようになった。数時間かかっていたセキュリティ業務が数分で終わるようになった」と述べた。
アンソロピック共同創業者のダリオ・アモデイ氏。出典:世界経済フォーラム年次総会2026
今回のパートナーシップは、企業の資金の使い方、テクノロジーの購入、業務の再設計に影響を与えるサービスプロバイダーとアンソロピックとの間で相次いで発表されている一連の提携の最新事例だ。
アンソロピックは5月上旬、ブラックストーン(Blackstone)、ヘルマン&フリードマン(Hellman & Friedman)、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(Goldman Sachs Asset Management)と共同で、企業がAnthropicの技術を導入するのを支援することを目的とした15億ドルのAIサービス合弁事業を立ち上げると発表した。
この戦略により、アンソロピックはウォール街やプロフェッショナルサービス業界における著名な企業名だけでなく、AIによる生産性と利益率の向上を証明するよう圧力を受けている数百社のポートフォリオ企業や法人クライアントへのアクセスも得ることになる。
OpenAIはBCG、アクセンチュア(Accenture)、キャップジェミニ(Capgemini)、PwCなどの大手コンサルティング会社とアライアンスパートナーシップを結んでいる。一方、グーグルは最近、マッキンゼー(McKinsey)、アクセンチュア、デロイト(Deloitte)などのコンサルティング会社がエージェント型AIをクライアントに展開するのを支援するため、7億5000万ドル(約1192億円)のファンドを立ち上げると発表した。
5月に公開されたRampのAIインデックスのデータによると、アンソロピックは4月のビジネス導入率で34.4%に達し、32.3%のOpenAIを上回った。これはかつてOpenAIが支配していた市場における劇的な逆転だ。データによると、アンソロピックのClaude Code製品が導入急増の主要因の一つとなっている。