24時間365日稼働するAIエージェントGemini SparkはClaude Coworkとどう違うのか?それぞれの設計思想と戦略を比較 【生成AI事件簿】AIに生活の鍵を渡す日が到来、Googleの新エージェントは便利か危険か(1/4) | JBpress (ジェイビープレス)

【生成AI事件簿】AIに生活の鍵を渡す日が到来、Googleの新エージェントは便利か危険か

小林 啓倫

小林 啓倫
経営コンサルタント

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2026.5.20(水)

経営 IT・デジタル

個人向けAIエージェント分野でのGoogleの反撃が始まった(筆者がChatGPTで生成)

 2026年5月19日(現地時間)、Googleは米カリフォルニア州マウンテンビューで開催された年次開発者会議「Google I/O 2026」の基調講演で、個人向け汎用AIエージェント「Gemini Spark」を正式発表した。同社のサンダー・ピチャイCEOは講演のタイトルを「Welcome to the agentic Gemini era(エージェンティック・ジェミニ時代の幕開け)」と銘打ち、Sparkを「24/7(24時間365日稼働)のエージェント」と紹介した。

 Sparkは一般の個人ユーザー向けの汎用AIエージェントという点で、先行する「Claude Cowork」のライバルとなる存在だ。米Anthropicが2026年1月に発表したClaude Coworkは、PC上で自律的に作業を実行するデスクトップ向けエージェント機能で、正確なユーザー数は公表されていないものの、Thomson Reutersなど著名企業での導入が進んでいる。

 とはいえ両社のエージェント設計思想は大きく異なる。Google I/Oで発表された情報を基に、Googleが私たちにどのようなサービスを提供しようとしているのかを整理してみたい。

I/Oの目玉となった「24/7」のAIエージェント

 Sparkに関する情報は、Google I/Oと同日に掲載されたジョシュ・ウッドワード(Google Labs、Geminiアプリ/AI Studio担当バイスプレジデント)の記事「The Gemini app becomes more agentic, delivering proactive, 24/7 help」でも確認できる。

 記事の冒頭でウッドワードは、Sparkの位置付けをこう説明している。「Sparkは、Gemini(※GoogleのAIモデルのブランド名)にとって大きな転換だ。質問に答えるアシスタントから、ユーザーの指示の下でユーザーに代わって実作業をこなす能動的パートナーへと変貌する」。「質問応答型からタスク実行型への転換」というのが公式メッセージの中心だ。

 技術面も少し解説しておくと、Sparkは同日発表されたLLM(大規模言語モデル)「Gemini 3.5」と、Googleの社内エージェント基盤「Antigravityハーネス」(数分から数時間に及ぶ長期タスクを完遂させるための実行環境)の上で動く。つまりその実体は、Google Cloud上に確保された、専用仮想マシン上で稼働するクラウド型のエージェントだ。

 この「クラウド型」という選択がSparkの性格を決めている。ユーザーはパソコンだけでなく、スマートフォン等からもSparkにアクセスでき、さらにそれらの端末を閉じた後も、Sparkはクラウド上で動き続ける。公式ブログがタイトルに掲げた「24/7(24時間365日稼働)」とは文字通りの意味である。

 主要な機能としては、次の3つが例示されている。