「420」はマスク氏がお気に入りの数字
Image:JRdes/Shutterstock.com
イーロン・マスク氏のAI企業xAIが、従業員に「税務情報をGrokの学習へ利用する」条件で420ドルを約束したものの、実際には支払いが行われていないとBloombergが報じている。
これは米国の税申告期限(4月15日)を前に、Grokの「税務相談」能力を強化する施策として実施されたものだという。すでに多くの人々が、税務処理の補助にClaudeやChatGPTといった競合AIチャットボットを利用しているが、xAIはその流れを逆転させようとしていたとされる。
Bloombergが入手した社内チャットによると、xAI経営陣は3月、従業員に対して自身の申告書や関連書類の提出を依頼し、その見返りとして420ドルと「X Money」への早期アクセスを約束していたという。X Moneyは、SNS「X」向けに提供予定ながら、長らく遅延している決済プラットフォームである。
しかし、税務データを提供してから約2か月が経過しても、多くの従業員に420ドルは支払われていないという。支払いについて問い合わせた従業員の中には、プログラムを担当していた管理職がすでに退職していると告げられた者もいるとのことだ。
xAIの広報担当者は、この件に関するBloombergからのコメント要請に応じていないと伝えられている。
そもそも、税務情報のような機密性の高いデータをモデル訓練へ提供すること自体、かなりリスクが高い。この報道では、xAI側がどのような形で匿名化を行ったのか、保存期間や再利用範囲、削除手続きなどのデータガバナンスについては明示されていない。
ちなみに、ボーナス額とされる「420」は、1970年代初頭、米カリフォルニア州の高校生グループが、放課後4時20分に集合して大麻絡みの活動を行う際の合図として使っていた数字に由来するとみられている。マスク氏はこのネタを非常に気に入っており、過去には「テスラ株を1株420ドルで全株買収する資金を確保した」とSNSへ投稿し、市場を大混乱させたこともあった。
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