デル、「Dell Deskside Agentic AI」を発表–AIとデータの主導権は「企業が握れ!」 – ZDNET Japan

 Dell Technologies(デル)は米国時間5月18日から4日間の日程で、ネバダ州ラスベガスにおいて同社の年次カンファレンス「Dell Technologies World 2026」を開催している。同カンファレンスは顧客やエコシステムパートナーが一堂に会するデル最大級のイベントだ。会期中は基調講演に加え、技術セッション、ハンズオンラボ、パートナー展示などが実施される。

 初日の基調講演には、創業者 兼 最高経営責任者(CEO)のMichael Dell氏やNVIDIA CEOのJensen Huang氏が登壇。エージェント型AI時代のエンタープライズ基盤「Dell AI Factory with NVIDIA」の大幅な拡張を発表し、AIを企業が管理するインフラの上で「デスクサイドからデータセンターまで」を一貫して展開していく姿勢を鮮明にした。

会場となったのラスベガスの「The Venetian Resort Las Vegas」
会場となったのラスベガスの「The Venetian Resort Las Vegas」

エージェント型AIの台頭で問われる「AIインフラの主導権」

 基調講演でDell氏は、AI(人工知能)を「Abundant Intelligence」(普遍的な知能)と表現した。「かつてm電気が発電所から社会全体へ広がり世界を一変させたように、AIも(コンピューターの)画面上から実世界へ広がることで社会を変えていく」と述べ、AIを社会インフラ全体へ実装していく考えを示した。

Dell Technologies 最高経営責任者のMichel Dell氏は、AIを「Abundant Intelligence」(普遍的な知能)と表現した
Dell Technologies 最高経営責任者のMichel Dell氏は、AIを「Abundant Intelligence」(普遍的な知能)と表現した

 同氏は、AIが従来のアシスタント型から、自律的に計画・推論・実行・適応を行うエージェント型へ移行していると説明する。「従来のAIによる生産性向上は20~30%程度だったのに対し、エージェント型AIは20~30倍の生産性向上をもたらす可能性がある。(中略)エージェント型AIが主導する企業へと変革できなければ、生き残りが難しくなる」と強調した。

 一方で、こうした変化は企業のAIインフラにも新たな課題をもたらす。エージェント型AIは、人間からのプロンプト(問いかけ)に応答するだけでなく、自律的に推論・計画・ツール利用を繰り返すため、消費するトークン量が桁違いに増える。

 クラウドのAPIに依存し続ければ、利用コストは青天井に膨らみかねない。さらに、データ、コスト、セキュリティ、知的財産、意思決定や開発のスピードを外部のクラウド事業者へ委ねることへの懸念も大きい。Dell氏は、「AIインフラの課題はクラウド利用そのものよりも、ベンダー依存によって主導権を失うことこそが企業にとっての本当の課題だ」と指摘する。

 実際に企業のAIワークロードは、既にクラウドの外側に広がり始めている。デルが実施したAI活用に関する調査では、AIワークロードの67%がオンプレミス、デバイス、エッジ、コロケーションなどクラウドの外側で稼働しており、88%の企業が少なくとも1つのAIワークロードをオンプレミスで運用しているという。この傾向をDell氏は、「Theirs(他人のもの)からOurs(自社のもの)へのシフト」と表現した。

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