トランプ大統領はNVIDIA・Microsoft・Amazon・Metaなどの株式を3カ月で数百億円規模取引、企業の重大なニュースの直前に購入されていた例も – GIGAZINE

2026年05月18日 16時25分
メモ


アメリカのドナルド・トランプ大統領の財務報告書に総額数百億円から数千億円規模のテクノロジー関連株式取引が含まれていたことが、開示書類によって明らかになりました。中にはテクノロジー企業のパートナーシップ発表など株価に影響する重大ニュースの直前に取引が行われていた例もあり、トランプ大統領による直接の関与があったかどうか注目されています。

Trump was big on tech stocks in early 2026, filings show
https://www.cnbc.com/2026/05/15/trump-stock-trade-tech-oge.html


Trump Bought Corporations’ Stock as His Administration Boosted Their Business – NOTUS — News of the United States
https://www.notus.org/money/donald-trump-stock-investments-palantir-axom-nvidia

Trump Bought Nvidia, Boeing, Microsoft in Flurry of Transactions – Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2026-05-14/trump-bought-nvidia-boeing-microsoft-in-flurry-of-transactions

トランプ大統領は2026年5月14日に第1四半期の財務報告書を提出しました。書類によると、2026年1月から3月の3か月間だけで3700件以上の取引があり、少なくとも2億2000万ドル(約350億円)相当のアメリカ主要企業に関する金融取引をしていたとのこと。取引金額は正確な金額ではなく範囲で記載されており、最高では約7億5000万ドル(約1200億円)にものぼるそうです。

アメリカの投資信託ファンドであるTuttle Capital Managementのマシュー・タトルCEOによると、3カ月で3700件以上というトランプ大統領の取引記録は「異常な取引量」と言えるそうです。また、資産運用会社のThe Wealth Allianceの社長兼マネージングディレクターであるエリック・ディトン氏は「私がウォール街で40年以上働いてきた中で、これほどの取引量はどんな基準から見ても異例です」と述べています。実際に、2025年の第4四半期の取引数は380件であり、前期比で10倍近くまで急増していることになります。

購入対象として示されていたのはMicrosoft、Meta、Apple、NVIDIA、Amazon、Googleの親会社であるAlphabet、ビッグデータ分析のためのソフトウェアプラットフォームを専門とするPalantir、クラウドコンピューティングなどを提供するOracle、航空宇宙機器開発製造会社のボーイングなど多岐にわたっています。100万ドル(約1億5900万円)から500万ドル(約8億円)の大規模な購入額にはNVIDIAとApple、500万ドルから2500万ドル(約39億円)の大規模な売却にはMicrosoft、Amazon、Metaが含まれていました。以下は2026年第1四半期に行われたトランプ大統領の取引量を取引規模ごとに示したグラフで、オレンジが購入、黒が売却を表しています。


トランプ大統領がオーナーを務めるトランプ・オーガニゼーションの広報担当者は声明で「トランプ大統領の投資資産は、投資判断の全権を単独かつ排他的に持つ『第三者の金融機関』によって独立して運用される、投資家本人ではなく運用会社側が売買判断を行う完全裁量型口座を通じてのみ管理されています。取引の実行やポートフォリオの調整は、それらの金融機関が管理する自動化された投資プロセスおよびシステムによって行われています。トランプ大統領本人、その家族、そしてトランプ・オーガニゼーションは、個別の投資案件の選定・指示・承認に一切関与していません。彼らが取引活動について事前通知を受けることはなく、投資判断やポートフォリオ運用に関して、いかなる形でも意見を出すことはありません」と述べています。

トランプ・オーガニゼーションは「トランプ大統領は取引に直接関与していない」と述べていますが、アメリカのオンラインメディアであるNOTUSは「アメリカ政府が2026年1月15日にAMDのAIチップを中国に輸出するための新規則を発表した9日前、トランプ大統領はAMD株を5万ドル(約800万円)から10万ドル(約1600万円)購入した」と指摘しており、株式取引が政策を事前に知っていた可能性を示唆しています。また、トランプ大統領は2026年1月だけでPalantirの株を6万5000ドル(約1000万円)から15万ドル(約2300万円)購入し、2月には最低でも110万ドル(約1億7000万円)分売却していますが、2026年2月にPalantirは国土安全保障省および国防総省とそれぞれ10億ドル規模の契約を締結しています。

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そのほか、トランプ大統領はNVIDIA株を2026年2月10日に100万ドル(約1億5800万円)から500万ドル(約80億円)購入しました。その1週間後の2026年2月17日に、NVIDIAとMetaが複数年に及ぶ長期的なパートナーシップ契約を締結したことを発表しています。

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ホワイトハウスはNOTUSへの声明で「トランプ大統領は常にアメリカ国民の利益のために行動しています。トランプ大統領の資産は、彼の子どもたちが管理する信託財産にあります。利益相反は一切ありません」と疑惑を否定しました。

トランプ大統領は2026年2月に行われた一般教書演説で、インサイダー取引や利益相反が横行していることへの懸念から議員による株式取引の禁止を指示していました。一部の民主党議員らはトランプ大統領を支持した一方で、カリフォルニア州選出の民主党下院議員マーク・タカノ氏は「まずはあなたの番じゃないですか」と叫び返したり、ミシガン州選出の民主党議員であるラシダ・トレイブ下院議員は「あなたは最も腐敗した大統領です」と非難したりと、激しい口論も発生しました。なお、アメリカでは議員や政府高官に対してインサイダー取引防止を目的とした「ストック法」が定められていますが、大統領に対する直接的な株式保有禁止規定はありません。

タトル氏は「大統領はすべてを知っている立場なので、どんな株を買っても大きな疑問符が付きます。人々はなぜトランプ大統領が今、NVIDIAなどの企業株を買っているのかと疑問を抱いています」と懸念を述べています。

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