人々の効率を15%向上させられれば、それは9兆ドル(約1395兆円)に相当します。
プライベートエクイティ企業は、保有期間の長期化に伴いリターン創出への圧力にさらされてきた。ベイン・アンド・カンパニー(Bain & Company)によると、現在は約40%の企業が5年超保有されており、2019年の29%から上昇している。
「需要は桁外れです」と語るのは、ザックス・インベストメント・マネジメント(Zacks Investment Management)のチーフ・マーケット・ストラテジスト、ブライアン・マルベリー(Brian Mulberry)氏だ。彼はこの合弁事業を、データセンターの増加に伴う計算能力の向上、ファイナンシャルスポンサーが老朽化した資産を売却する必要性、そして急速なトークン消費に伴うコストの高騰という複数の力が収束した結果と見ている。
コンピューティングパワーが増大すれば、より多くのデータセンターが稼働するでしょう。生産性向上のツールとしてAIを活用することは、非常にスケーラブルです。
ウォール街におけるアンソロピックの存在感
この合弁事業の中核となるのは、アンソロピックのエンジニアと緊密に連携してAIを投資先企業のワークフローに組み込み、内部プロセスを再構築することだ。今回の取引の詳細に詳しい別の関係者によると、実際にはAI駆動のエージェントを既存システムに導入し、企業がタスクをより迅速に完了できるようにすることが含まれる可能性がある。
取引の詳細に詳しい別の関係者によると、この合弁事業のクライアントにとってのもう一つの利点は、アンソロピックの最新モデルへのアクセスだという。一般公開前にこれらのモデルへの先行アクセス権が得られることで、高まるサイバーセキュリティ上の懸念(その一部はアンソロピック製品の前例のない能力に起因する)への対処に役立てられる可能性があると、この関係者は付け加えた。
ここ数週間、アメリカ政府の懸念を呼んでいる高度なLLM(大規模言語モデル)であるアンソロピックのMythos(ミュトス)は、その前例のないサイバー能力から自社を守ろうとする銀行や大企業の注目を集めている。
「データセンター投資のクジラ」としてのブラックストーン
この新たなベンチャー企業が企業をAI時代へ移行させる方法を確立できれば、それは非常に価値ある企業になる可能性が高い。ブラックストーン自身のポートフォリオ企業によるLLMへの支出は、過去1年で15倍に増加している。
「これは上げ潮です」と語るのは、プライベートエクイティ向けAI価値創造企業テラゴニア(Teragonia)のトーマス・タイイルトーマス(Thomas ThayyilThomas)CEOだ。
同社は、中堅プライベートエクイティ企業がAIの知見を自社ビジネスに活用するためのソフトウェアプラットフォームを構築しており、数兆ドル規模の企業を傘下に持つ市場をターゲットにしている。
トーマス氏は、プライベートエクイティ投資家のタイムフレーム内で企業を包括的に変革するという課題を指摘し、大きな市場ではあるが難しい市場でもあると述べた。
これらの企業は約60カ月以内にエグジットするか、流動性イベントを起こす必要があります。早ければ早いほどいいのです。それを実現しながら、AIによる価値創造のストーリーを首尾一貫した形で語ることは、また別の問題です。
一方で、長期的な見返りもある。
ブラックストーンは世界最大のデータセンター投資家を自称しており、世界全体で1500億ドル(約23兆2500億円)超のデータセンターを保有し、1600億ドル(約24兆8000億円)の潜在的取引パイプラインを持つ。
アマゾン(Amazon)、マイクロソフト(Microsoft)、メタ(Meta)、グーグル(Google)の4大プレーヤーは2026年に7250億ドル(約112兆3750億円)の支出を計画しており、その賭け金の大きさを懸念する声も出ている。
プライベート・エクイティは、まず20世紀半ばの複合企業を専門分野に特化した事業体へと再編し、その後、収益の最大化を冷徹なまでに追求する経営手法によって、長年にわたり企業の戦略に影響を与えてきた。
もしこの業界が、AIによる変革に向けた再現可能な戦略を確立できれば、データセンターへの投資は報われる可能性が高い。

資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンクCEO、「AIハイパースケーラーとの提携」を示唆 | Business Insider Japan