
Google Chromeはユーザーの端末上でAI処理を行うための「オンデバイスAI」をPCにダウンロードしています。ChromeはオンデバイスAIについて「データをGoogleサーバーに送信することなく、デバイス上で直接実行されるAIモデルを使用できます」と記載していましたが、2026年5月5日にリリースされたChrome 148でこの説明が削除されていると報告され話題になっています。
Chrome removes claim of On-device Al not sending data to Google Servers. : chrome
https://old.reddit.com/r/chrome/comments/1t5qayz/chrome_removes_claim_of_ondevice_al_not_sending/
Chrome Deleted Its Own Privacy Promise for Sneaky On-Device AI – Decrypt
https://decrypt.co/367193/chrome-removes-privacy-claim-gemini-nano-google
「オンデバイスAI」とは、クラウドサーバーにデータを送信して処理するのではなく、ユーザーのPCやスマートフォン上で直接AIモデルを動作させる仕組みです。GoogleはChromeに軽量AIモデル「Gemini Nano」を統合しており、詐欺サイトの検出やウェブページ要約、開発者向けAI機能などをローカル環境で処理できるようにしています。2026年5月5日にリリースされたChrome 148ではウェブサイトからブラウザ内蔵のオンデバイスAIに直接アクセスできる「Prompt API」も導入されましたが、プライバシー監査の専門家であるアレクサンダー・ハンフ氏は「Google Chromeがユーザーに明確な確認を取らないまま約4GBのオンデバイスAIモデルをPCにダウンロードしている」と指摘しています。
Google Chromeが約4GBのオンデバイスAIモデルを勝手に保存していると指摘される、削除しても再ダウンロードされるケースも – GIGAZINE

このオンデバイスAIについて、プライバシーに関する文言がひっそりと変更されていたことがRedditのChromeコミュニティで指摘され話題になりました。
以下はコミュニティに投稿されたChrome 147のスクリーンショット。青い線で示されている部分にオンデバイスAIの説明があり、「データをGoogleサーバーへ送信せず動作する」と記載されています。

しかし、Chrome 148にアップデート後の以下のスクリーンショットでは、オンデバイスAIに関する説明から「データをGoogleサーバーへ送信しない」の部分が消えています。

Redditの投稿では「説明が消えたことで、今後はデータがGoogleへ送信されるのではないか」と懸念が示されています。
この変更はソーシャルニュースサイトのHacker Newsに取り上げられ話題になりました。「これはまさにデバイスに搭載されたAIスパイウェアです」という批判や「デスクトップアプリにAIを組み込み、データを処理のために本社に送信するという方法は、それに全く気づかないであろう人々からデータを収集する素晴らしい方法だと私には思えます」とGoogleの手法を皮肉交じりに評する意見、「Googleはこれまで何度も信用できないことをして機会があればいつでもユーザーを搾取しようとしてきたのに、いまだにChromeを使っている人がいることに驚いています」とGoogleを批判するコメントもあります。また、あるユーザーは「私の考えでは、AIビジネスの本質はデータ収集にあります。AIの価値は企業顧客や開発者が対価を支払って入手するモデルの品質にあるのではなく、モデルをホストする側が『無料』で入手できるデータ量にあります。そして、そのデータの価値は、保険会社や広告主など、それを購入する側がどれだけ価値を認めるかによって決まるのです」とGoogleがビジネスのために情報収集を狙っていると指摘しています。
今回削除された説明文について、Googleの広報担当者はDecryptに対し「このフレーズの削除はChromeにおけるオンデバイスAIの処理方法の変更を反映するものではありません。モデルに渡されるデータは、デバイス上でのみ処理されます」と述べ、データが収集されるようになるという懸念を否定しました。
Googleによると、Chromeでオンデバイス向けLLM「Gemini Nano」を使用しているウェブサイトが、AIモデルの入力と出力を確認できる場合があるそうです。そのような場合、データの使用はウェブサイトの個別のプライバシーポリシーに従うため、潜在的な混乱を避けるためにGoogleサーバーへの明示的な言及を削除したと広報担当者は述べています。
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