「Microsoft 365」の全体像を正しく把握する – ZDNET Japan

 Microsoft 365(以下、M365)には複数のライセンスがあり、ライセンスによって利用できる機能が異なります。ビジネスシーンで利用する基本的なアプリケーションに大きな差はありませんが、セキュリティ機能やID・認証管理については種類が分かれており、利用可能な機能範囲やセキュリティレベルに大きな違いがあります。本稿では、M365のライセンス体系に含まれる機能や、ユーザーが陥りやすい誤解について解説します。また、2026年5月から提供開始が予定されている「Microsoft 365 Enterprise 7(以下、E7)」についても触れます。

M365の全体像

 M365は、2020年4月に「Office 365」(以下、O365)から名称が変更されました。O365は主にMicrosoftのOfficeツールのクラウド版として2011年ごろから提供されてきましたが、M365はそれに加えて、クラウドベースのID、メール、ファイル共有、コミュニケーション、ストレージ、端末管理、情報保護、監査、脅威対策などを統合した「組み合わせ型プラットフォーム」となっています。

 MicrosoftではM365を、「個人向け」「一般法人向け」「エンタープライズ向け」「教育機関向け」に区分しています。最大300ユーザーまで利用可能な一般法人向けソリューションには、「Microsoft 365 Business Basic」(月額899円/ユーザー)、「Microsoft 365 Business Standard」(同1874円)、「Microsoft 365 Business Premium」(同3298円)が用意されています。一方、ユーザー数の上限がないエンタープライズ向けソリューションには、「Microsoft 365 E3(以下、E3)」と「Microsoft 365 E5(以下、E5)」があり、それぞれ月額5397円/ユーザー、8545円/ユーザーとなっています。

 一般法人向けソリューションは300ユーザーまでのライセンスであるため、主に中小企業向けと位置付けられます。機能としては、「Word」「Excel」「PowerPoint」「Outlook」「OneNote」「Exchange」「SharePoint」「OneDrive」「Teams」といった基本的なアプリケーションが中心です。IDおよびアクセス管理として「Microsoft Entra ID」が含まれていますが、無償版のため利用できる機能には制限があります。

 エンタープライズ向けソリューションでは、IDおよびアクセス管理機能としてMicrosoft Entra IDが上位版となり、PCやスマートフォンなどの端末(エンドポイント)とアプリをクラウド上で一元管理する「Microsoft Intune」や、情報漏えい対策機能である「Microsoft Purview Data Loss Prevention」などのセキュリティ機能も標準で利用できます。ただし、E3とE5で使用できる機能が異なるため、違いを理解して選択することが重要です。また、エンタープライズ向けソリューションには「Windows 11 Enterprise」も付属します。

M365のライセンス別の機能
M365のライセンス別の機能

 M365のライセンス別の機能については、詳細な資料(英語)が公開されています。

 さらに2026年5月には、エンタープライズ向けの新ライセンス「E7」が登場する予定です。E5のセキュリティ基盤をベースに、AIを活用したインテリジェントな防御機能が強化されるとされています。

 E7では、AIエージェントを活用したセキュリティ管理基盤「Agent 365」による機能追加を発表しており、これにより組織全体で利用されるAIエージェントの可視化や一元管理、セキュリティ保護が可能になります。また、AIエージェントにも人間のユーザーと同様のセキュリティモデルを適用し、ゼロトラストに基づく保護を実現します。また、この新ライセンスでは、「M365 Copilot」との統合により、データの安全な取り扱いを支援するガードレール機能も提供される見込みです。

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