高度なサイバーセキュリティの新モデルについて政府との対話維持
4
会員(無料)になると、いいね!でマイページに保存できます。
共有する
米AI開発企業のアンソロピックは、米国防総省による「サプライチェーンのリスク」指定後も、最新AIモデル「ミトス(Mythos)」に関してトランプ政権との協議を継続している。同社共同創業者のジャック・クラーク氏が4月13日に明らかにした。軍事利用の制限を巡る対立から法的闘争に発展しているものの、高度なサイバーセキュリティ能力を持つ新モデルについて政府との対話は維持している。

(画像:WORLD ECONOMIC FORUM)
アンソロピックの共同創業者であるジャック・クラーク氏は4月13日、ワシントンで開催されたイベントにおいて、同社の最新AIモデル「Mythos」に関してトランプ政権と協議を行っていることを明らかにした。同社と米国防総省の間では、AIの軍事利用に関するガードレールを巡り契約上の対立が生じていた。クラーク氏はこの問題について「契約に関する限定的な対立はあるが、当社が国家安全保障を重視する姿勢の妨げになることは望まない」と述べ、最新技術の動向を政府が把握する必要があるとの観点から、政府との対話を継続する方針を示した。
米国防総省は先月、アンソロピックを国家安全保障上の「サプライチェーンのリスク」に指定し、同社製品の利用を事実上禁じた。これに伴い、米財務省、国務省、連邦住宅金融局(FHFA)もアンソロピック製品の利用中止を発表している。この指定に対し、アンソロピック側は不当な措置だとして連邦裁判所に提訴した。しかし、ワシントンの連邦控訴裁判所は4月8日、国防総省の措置に対する事前の差し止め請求を退ける判断を下しており、両者間の法的闘争は継続している。

【図版付き記事はこちら】Anthropic、米国防総省と対立後も米政権との「Mythos」の対話維持Anthropic、米国防総省と対立後も米政権との「Mythos」の対話維持
(図版:ビジネス+IT)
一方で、アンソロピックが新たに発表した「Mythos」は、コーディングおよび自律的なタスク処理において同社で最も高い性能を有し、数千のソフトウェアの脆弱性を自律的に発見する強力なサイバーセキュリティ能力を持つ。アンソロピックはセキュリティ上のリスクを考慮し、「プロジェクト・グラスウィング(Project Glasswing)」と呼ぶ取り組みの下、同モデルの一般公開を見送った。現在はアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)やマイクロソフトなどの限られたパートナー企業およびセキュリティ研究者のみにアクセスを限定している。
同社CEOのダリオ・アモデイ氏は以前の公式声明で、米軍への技術提供を通じて米国の安全保障に貢献する意欲を示しつつも、完全自律型兵器や大規模な国内監視への利用に関しては同意できないとする立場を明確にしていた。今回の協議継続は、AIの安全性と軍事利用の境界線を巡る対立が続く中でも、最先端のAI技術を国家防衛や重要インフラの保護にどう組み込むかについて、企業と政権側が対話の糸口を探っている状況を示している。
評価する
いいね!でぜひ著者を応援してください
会員(無料)になると、いいね!でマイページに保存できます。
AI・生成AIのおすすめコンテンツ
関連タグ
タグをフォローすると最新情報が表示されます