
米ニューヨーク市ブルックリンで3月撮影。REUTERS/Shannon Stapleton/File Photo
[ワシントン 30日 ロイター] – 米商務省が30日発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比2.0%増加した。人工知能(AI)関連の企業投資が活発化したことや、政府機関の一部閉鎖が解除され、政府支出が持ち直したことで押し上げられた。ただ、中東情勢を背景にしたガソリン価格の上昇で家計の可処分所得が圧迫されていることを踏まえると、伸びは一時的なものにとどまるとの見方も出ている。
ロイターが実施したエコノミスト調査では伸びは2.3%に加速すると予想されていた。予想の内訳は0.2%のマイナス成長から3.9%のプラス成長まで幅があった。
2025年第4・四半期の国内総生産(GDP)確報値は年率換算で前期比0.5%増と、
同年第3・四半期の4.4%増から大きく減速していた。
経済の3分の2以上を占める個人消費は1.6%増と、第4・四半期の1.9%増から伸びが減速。第1・四半期にイラン紛争に伴い米国のガソリン平均価格が1ガロン=4ドルの水準を超える以前から失速していたとみられる。
一方、AI関連の支出急増とデータセンター建設を背景に、第1・四半期の企業の設備投資は10.4%増加した。中でも装備・機器は17.2%増と、第4・四半期の4.3%増から大きく加速。企業の知的財産製品への支出は13%増となった。企業投資全体のGDPへの寄与度は1ポイント超。企業投資の堅調さは個人消費の減速の緩和に寄与した。
INGのチーフ国際エコノミスト、ジェームズ・ナイトリー氏は「個人消費がやや冷え込む中、テクノロジーとAI関連の投資が明らかに米国の成長の主要エンジンとなっている」と述べた。
政府支出は4.4%増と持ち直したほか、連邦政府支出は9.3%増加。在庫もGDP成長に寄与した一方、AI関連支出が輸入を押し上げ、貿易赤字の拡大により第1・四半期のGDP成長率を1.30ポイント押し下げた。
住宅投資は5四半期連続で縮小した。住宅ローン金利の高止まりが引き続き住宅市場を圧迫した。
貿易、在庫、政府支出を除いた国内民間需要は2.5%増。伸びは第4・四半期の1.8%増から加速した。
ロヨラ・メリーマウント大学のソン・ソンウォン教授(金融・経済学)は、「経済には依然として勢いがあるが、先行きはGDPの数値が示唆するよりも危険だ」と指摘。「インフレが許容水準を上回り、消費者を圧迫し、関税政策が貿易や企業の意思決定を歪める中、経済はより脆弱な局面に入りつつある」と述べた。
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