中国の半導体製造工場(写真はイメージです)。Guo Zhihua/VCG via Getty Images
イラン戦争による安値から株式市場が目を見張るほどの急反発を遂げる中、注目すべき連騰記録がいくつか生まれている。
ナスダック総合指数の13日連続上昇 —— 1992年以来最長の連騰だ —— は大きな注目を集めた。S&P 500(7日間)とMSCIワールド指数(8日間)も、ここ数カ月で最長の連続上昇を記録した。
それらの連騰が途切れる中、唯一持続しているのがフィラデルフィア半導体指数、通称SOXだ。半導体株の動向を示すこの指数は先週、17営業日連続で上昇し、過去最長の連騰記録を樹立した。その間のリターンは41%と堅調で、S&P 500(+12%)やナスダック(+18%)を大きく上回った。
上昇局面を通じてSOXは、4月23日を含む市場全体の一時的な売りをものともしなかった。4月に反発したAI関連のもう一つの注目セクターであるソフトウェア株はそれほど幸運ではなく、同日6%下落した。
SOXの急騰は、イラン戦争開戦から最初の1カ月間に同指数が最大12%下落し調整局面入りしたことを投資家に忘れさせた。反発はその損失を十分に取り戻し、指数は12営業日連続で過去最高値を更新した。
上昇を後押しした3社の要因
1. エヌビディア(Nvidia)が牽引:SOXの最大構成銘柄であるエヌビディアが3月末の安値から21%上昇していることは、間違いなく追い風だ。エヌビディアは他の銘柄が追随する業界の先行指標であるだけでなく、指数に占めるウェイトも大きい。
2. TSMCの好決算:台湾の半導体製造大手は直近四半期に過去最高の売上高を記録し、通期の売上高見通しを引き上げた。同社はAIへの旺盛な需要が続いていることを挙げ、イラン戦争による逆風を軽視した。
3. ASMLも堅調な業績:先端半導体製造装置を手がけるオランダのメーカーも、同じくAI中心の需要を理由に通期売上高見通しを引き上げた。
次の局面を左右する銘柄
決算を発表したばかりのインテル(Intel):同社の決算結果が金曜日の取引開始までSOXに影響を与えることはないが、初期の兆候は有望だ。同社は第2四半期のガイダンスでアナリスト予想を大幅に上回り、世界的なAIインフラ整備の流れに乗り遅れていないことを示した。
来週決算発表のクアルコム(Qualcomm):同社は3月末の安値からの急反発に乗じているが、長期的にはまだ大幅な下落が続いている。クアルコムは、インテルとともに、SOXの他の構成銘柄と比べてメモリチップ価格の高騰の影響を受けやすい。それでも両社がセクター全体とともに上昇していることは、全体的に強気なシグナルだ。
同じく来週決算発表のユナイテッド・マイクロエレクトロニクス(United Microelectronics):TSMCに次ぐ台湾第2位の半導体メーカーは、ブルームバーグの予想によると前年比38%の利益成長が見込まれている。
ドイツ銀行のグローバルマクロリサーチ責任者、ジム・リード(Jim Reid)の言葉で締めくくろう。「これらすべてが、力強いAI主導の需要サイクルというナラティブを強化した。昨年盛んに語られた『AIバブル論』は、今のところ鳴りを潜めている」