AI最新モデル「GPT-5.5」、何ができる? 最も危険なAI「クロード・ミュトス」発表の衝撃から2週間、人工知能を巡る攻防 | ハフポスト NEWS

対話型AI(人工知能)、チャットGPTを手がける米オープンAIが4月23日、最新モデル「GPT-5.5」をリリースした。

7日には、競合する米新興のアンソロピックが「クロード・ミュトス」を発表、“最も危険なAI”として世界に衝撃を与えたばかり。

AI開発を巡る攻防に注目が集まっている。

【画像】世界を震撼させている「クロード・ミュトス」

オープンAIが23日に公開したGPT-5.5で特筆すべきはその自律性だ。

ターミナル環境でのコーディング能力、複雑で長期的なタスクをどれだけ自律的に実行できるかといった性能を評価する「ターミナル・ベンチ2.0」では82.7%を記録。オープンAIによれば、GPT-5.5は、ユーザーが何をしようとしているのかをより速く理解し、作業の大部分を自律的に実行できる、これまでで最も直感的に使えるフラッグシップモデルだ。

コードの記述やデバッグ、オンラインでの調査、データの分析、ドキュメントやスプレッドシートの作成、ソフトウェアの操作などに優れている。

タスクが複雑でいくつものステップを踏むものであっても、各段階ごとの指示なしで、計画の立案から作業の継続的な遂行までを任せることができる。

一方、アンソロピックは7日、最新モデルのクロード・ミュトスについて、その脅威的な能力ゆえに一般公開を見送る、と発表した。

同社によれば、クロード・ミュトスは特にコンピュータ・セキュリティの分野で際立った能力を発揮。テストの結果、主要なOSとWebブラウザすべてにおいて、未発見・未修正のセキュリティ上の欠陥「ゼロデイ脆弱性」を特定し、悪用できることが判明したという。

ミュトスはこれまでに数千件もの深刻な脆弱性を発見しており、その中で最も古いものは、セキュリティの高さで知られるオープンソースのOS「OpenBSD」に27年間潜んでいたバグだった(現在は修正済み)。さらにミュトスは、OSなどに存在するセキュリティ上の脆弱性を悪用し、不正な操作や攻撃を行うプログラムを自律的に作成。これは、専門知識を持たないユーザーでも、ミュトスを活用して高度な脆弱性を発見し、悪用できることを意味している。

アンソロピックは7日、ミュトスの一般公開は見送る一方で、ソフトウェアの安全確保のため、アップル、グーグル、エヌビディア、アマゾンウェブサービス(AWS)など、米国に本拠地を置くテック企業など11社と連携する取り組みを発表した。このモデルへのアクセスを、連携する11社を含むITインフラの構築・保守を行う40以上の組織に認め、セキュリティ対策が実施できるようにするという。

あまりに強力で、世界の金融システムや通信、交通など基幹インフラに甚大なダメージを与えうる新型AIの登場に、各国は対応に追われている。

BBCによると、ワシントンで開催された国際通貨基金(IMF)の会合ではミュトスについて議論が交わされた。カナダ財務相は「すべての財務相が注目するに値するほど深刻な問題だ」と述べ、この技術を「未知の未知」と表現。

ニューヨーク・タイムズによると欧州中央銀行は、銀行の防御体制について調査を開始した。

日本では24日、片山さつき金融担当相が日本銀行の植田和男総裁や三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクの頭取などを集めた官民連携会議を開催。サイバー攻撃の脅威に対応するため、官民連携の作業部会をつくることを決定した。