AI自作の就活ツール……AIが変えた春の採用シーズン 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

【4月26日 東方新報】文系学生の董雨斉(Dong Yuqi)さんにとって、この春の就職活動の転機となったのは、自分でAI就活ツールを作ったことだった。更新され続ける求人情報や就職サイトの推薦機能によって多くのチャンスに触れられる一方、知らない企業が多すぎて、応募すべきかどうか判断するだけでも大きな負担だった。そこで彼女は、ブラウザ上で会社名を選ぶだけで、その企業の事業内容や経営状況、過去の問題の有無、SNS上の給与や残業に関する評判までをまとめて確認できる簡易ツールを作った。

こうしたAI活用は、すでに春の採用シーズンでは珍しくなくなっている。調査によると、求職者の半数以上がAIで履歴書や自己紹介文を整え、3割前後が企業分析や面接対策にも使っている。面接練習用のAIツールも人気を集めており、いつでも模擬面接の相手になってくれる点が支持されている。研究分野とは異なる業界を受ける学生にとっても、AIは未知の業界や職種を短時間で理解し、自分の強みをどう言い換えるか整理する助けになっている。

AIの影響は求職者側だけにとどまらない。企業の採用現場では、AIが履歴書と求人の適合度を点数化し、詳しく見るべきかどうかまで提案する仕組みが導入され始めている。大学や就職支援機関でも、AIによる履歴書診断や求人マッチングが進み、学生は会場で履歴書をアップロードするだけで改善提案を受けられ、さらに自分に合った企業やブースまで素早く案内されるようになった。就職支援の現場では、AIが一次分析を行い、その上で人が相談対応をする形も広がっている。

ただし、AI活用には明確な限界もある。人事担当者からは、文章だけがきれいで本人の考えが見えない「AIっぽい履歴書」が増えているという声が出ている。AIで表現を整えること自体は問題ないが、自分で理解していない実績や数字をそのまま書いてしまえば、面接で具体的に問われた時に答えられない。実際、履歴書に書いた成果を説明できずに不採用になった例も紹介されている。面接の本質は、正解を並べることではなく、本人の理解や考え方、誠実さを見ることにあるという指摘も多い。

さらに、AIが大量の「整いすぎた履歴書」を生み出せば、企業側はより厳しい選考や多段階の面接で差を見極めようとするため、かえって双方の負担が増える可能性もある。その一方で、求職者の側もAI選考を意識し、機械が読み取りやすい履歴書づくりを始めている。凝りすぎたレイアウトを避け、職務内容に対応するスキルや数値実績を明確に書くことが重要だとされている。

もう一つの大きな課題は、公平性だ。AIが採用選考に入ることで、性別や年齢、経歴などに関する偏りがアルゴリズムの中に埋め込まれ、企業自身も気づかないまま不公平な選別が行われるおそれがある。実際、アルゴリズム選考の不公正を訴えたくても、仕組みが不透明なため立証が難しいという指摘も出ている。AIの推論能力が高まる中では、単に情報を隠すだけでなく、透明性や説明可能性、公平性を担保するルールづくりが欠かせない。

AIは就職活動の効率を大きく高め、情報収集や面接準備、企業とのマッチングを変えつつある。一方で、それは万能ではなく、使い方を誤れば逆効果にもなる。AI時代の就活で最後に問われるのは、やはり自分の経験を自分の言葉で説明できるかどうかだ。(c)東方新報/AFPBB News