OpenAIの最新AIモデルは、料理のアドバイスやスプレッドシートの作成よりもはるかに高度なタスクをこなせる。この「GPT-Rosalind」は、同社初のライフサイエンスに特化したモデルであり、科学者による創薬や生物学、トランスレーショナル(橋渡し)医学を支援することを目的としている。
名称の由来は、DNAの構造を明らかにして現代の分子生物学の基礎を築いた研究者Rosalind Franklin氏。科学研究は膨大なデータに依存しており、GPT-Rosalindはデータの整理を助けるとともに、新薬の開発や承認、市場投入までにかかる時間の短縮に役立つよう設計されている。
米国で新薬が開発・承認されるまでには10〜15年かかることがあると、OpenAIは米国時間4月16日の発表で述べた。GPT-Rosalindは、研究対象の選択を改善し、より質の高い実験に向けた強固な仮説を立てることを目指すものだ。
このモデルは、有機化学やタンパク質、遺伝学などの理解度に関するテストを受けている。研究者はこれを活用し、自身の研究に関連する科学文献の検索や実験の設計ができる。
医療の進歩を念頭に置いてAIモデルが開発されたのは、今回が初めてではない。Google DeepMindは、科学研究のためのAIモデルを数多く開発しており、例えば「AlphaFold」は2024年のノーベル化学賞受賞につながった。
Google DeepMindの最高経営責任者(CEO)であるDemis Hassabis氏は、最近のインタビューで「私にとってAIの最適な活用事例は、人々の健康を改善し、科学的発見を加速させることだ」と語った。Anthropicも1月、同様の目的で「Claude for Life Sciences」を発表している。
一部の科学者は、AIが科学分野に浸透する速さに懸念を表明しており、脆弱性や悪用の可能性、データ表現の問題について警告している。
OpenAIは、GPT-Rosalindに生物兵器の製造といった悪用を防ぐためのセーフガード(安全策)を設けており、バイオテクノロジー、製薬、ライフサイエンステクノロジーに関連するさまざまな組織と提携し、研究と科学的発見を支援するとしている。
バイオ製薬会社AmgenのAI・データ担当シニアバイスプレジデントであるSean Bruich氏は、科学的な仕事には精密さが必要だとし、「OpenAIとの独自のコラボレーションにより、同社の最先端の能力とツールを、斬新で革新的な方法で適用できるようになる。これにより、患者に薬を届けるプロセスの加速が期待できる」とコメントした。
GPT-Rosalindは現在、OpenAIの信頼済みアクセスシステムを通じて、研究用プレビューとしてのみ提供されている。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。
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